1997年5月、イギリス総選挙当日。首相候補のトニー・ブレア(マイケル・シーン)が投票所に一番乗りしている頃、王室では女王エリザベス2世(ヘレン・ミレン)が君主でありながら選挙権がない皮肉を嘆いていた。投票してみたいというのが女王の叶わぬ願いだった。翌朝、女王は目覚めとともにブレアが大勝利を収めたことを知る。1997年8月30日深夜、パリの大使館からダイアナが交通事故に遭ったと連絡が入る。ダイアナは集中治療室に運ばれたという。その知らせは、ブレアはもちろん、ロイヤルファミリーにも伝えられた。チャールズ皇太子(アレックス・ジェニングス)は、王室機でパリに向かおうとするが、女王は「王室の浪費と国民から非難される」として王室機の使用を禁止する。そして8月31日、朝5時。ロイヤルファミリーに伝えられたダイアナ死亡の知らせ。女王は、チャールズに将来のイギリス国王となる母親の死体を王室機で連れ戻すことが浪費なのか尋ねられ、しぶしぶ承諾。女王からの公式声明がない中、バッキンガム宮殿は悲しみに暮れる国民が集まり、多くの花が手向けられる。厄介だったダイアナが死んでまで、マスコミの見世物になりたくない女王は、ダイアナの生家の意見を尊重して内輪の葬儀で済ませると言い放つのだった。9月1日、月曜日。バッキンガム宮殿では、ダイアナの葬儀について会合が行われ、6日後の日曜日に国葬を行う方向で話が固まった。女王は、派手な内容に呆れるとともに、アトラクションのような国葬を本当にイギリス国民が望んでいるのか疑問に思い、国民の考えていることが理解できないでいた。9月3日、水曜日。マスコミは自分たちの責任の追及をかわすため、新聞の記事では王室のバッシングがエスカレート。国民の思わぬ反応に一番動揺しているのは女王自身だった。女王には、これ以上避けることのできない問題への決断が迫っていた……。