幼稚園へ侵入したと報道された容疑者は、将来を嘱望された若手映画監督・應思聡（イン・スーツォン）（リン・ジェーシー）だった。初監督作が失敗に終わった彼は、極度のストレスで精神に異常を来たし始めていた。一方的な報道に怒る姉・思悦（スーユエ）（ゾン・ペイツー）は、ＳＢＣニュースで働き、面倒を見ている大芝（ダージー）（チェン・ユー）に報道の異常性を責めてしまう。

医師の診断の結果、應思聡（イン・スーツォン）（リン・ジェーシー）は、統合失調症と診断される。投薬治療が始まり、その変わり果てた姿に涙する家族。一方、美（メイ）媚（メイ）（チョウ・ツァイシー）は、殺人犯の弁護だけを担当する弁護士の妻として社会から嫌がらせを受け始め、夫の王赦（ワンシャー）（ウー・カンレン）に家庭か仕事かの選択を迫る。また、ＳＢＣニュース副局長・宋喬安（ソンチャオアン）（アリッサ・チア）は、反発し家を飛び出してしまった娘に悩む。

実家に戻った美（メイ）媚（メイ）（チョウ・ツァイシー）に、何故弱者の人権を擁護するか語る弁護士王赦（ワンシャー）（ウー・カンレン）。彼は李大芝（リーダージー）（チェン・ユー）を説得し、家族と兄が面会する段どりまで取り付けていた。そんな折、急遽、李大芝（リーダージー）（チェン・ユー）の兄の死刑が執行されるとＳＢＣニュースに伝えられ、激しく動揺する大芝（ダージー）。宋喬安（ソンチャオアン）（アリッサ・チア）は、母へ電話をする大芝（ダージー）の会話を耳にしてしまう。

死刑が執行され、事件の真相を明らかにできなくなった弁護士王赦（ワンシャー）（ウー・カンレン）は絶望を感じる。一方、遺体を引き取りに向かった李大芝（リーダージー）（チェン・ユー）の家族は、突然ＳＢＣニュースから取材攻勢を受けてしまう。そして、被害者の遺族や社会からも一斉に非難を浴びる。宋喬安（ソンチャオアン）（アリッサ・チア）は夫の劉昭國（リウジャオグオ）（ウェン・シェンハオ）とカウンセリングを受け始めることに。

息子を失った心の闇が徐々に癒え始めた宋喬安（ソンチャオアン）（アリッサ・チア）の前に、メディアに煽られた模倣事件が発生する。そして、当事者家族は集中砲火を浴びて行方不明になってしまう。結婚の日取りが迫る思悦（スーユエ）（ゾン・ペイツー）は、心の病に苦しむ弟・思聡（スーツォン）（リン・ジェーシー）や迫害を受ける大芝（ダージー）（チェン・ユー）を必死に守ろうとする。

ネットで脅迫を受けていた妻が早産をしてしまった弁護士王赦（ワンシャー）（ウー・カンレン）は、自分の行いを悔いて今までの弁護方針を一変させる。病から社会復帰しようとする思聡（スーツォン）（リン・ジェーシー）の前には多くの苦難があり、それを姉として支える思悦（スーユエ）（ゾン・ペイツー）。そんなおり、大芝（ダージー）（チェン・ユー）は大学生の先輩と再会し、デートすることに。

雑誌記事の掲載を契機に、大芝（ダージー）（チェン・ユー）も両親もメディアに囲まれ集中取材をうける。遺族から弾劾され謝罪を要求される大芝（ダージー）を思聡（スーツォン）（リン・ジェーシー）がそっと励ます。この家族の窮地に対し、思悦（スーユエ）（ゾン・ペイツー）のフィアンセは助けようともしない。宋喬安（ソンチャオアン）（アリッサ・チア）は報道方針を改める試みをＳＢＣニュースで始めることに。

新たなＳＢＣニュースの幹部との編成方針の違いにより、宋喬安（ソンチャオアン）（アリッサ・チア）は編成部から左遷されてしまう。また、症状が悪化し幻覚を見るようになった思聡（スーツォン）（リン・ジェーシー）は自宅から逃走してしまう。一方、本来の志を取り戻した弁護士王赦（ワンシャー）（ウー・カンレン）は、2年前の無差別殺人事件でそれぞれが悲しみを負った被害者と加害者の家族同士を向き合わせることに。

ヒューマンドラマ『悪との距離』の誕生の過程を、プロデューサー、監督、脚本家などのスタッフや出演者のそれぞれの熱い想いを語るメイキング集。

大学を卒業して５年、成美（チェンメイ）は、シングルマザーの親友・星華（シンホワ）と彼女の息子・小良（シャオリャン）と暮らしていた。モバイル決済の会社に職を得た日、成美は昔の恋人、掛居（グアジュー）の姿を見かけ、心が波立つ。同じころ、長年アメリカにいた守治（ショウジー）が、新たに開発した通信技術を引っ下げ、投資者に会うため台湾に帰国した。

駆け出しの弁護士として忙しい毎日を送る掛居のもとに、アメリカ帰りの守治が現れ旧交を温める。一方、守治のおかげで入社初日に初契約を取り付けた成美だが、数日で退社の憂き目に遭ってしまう。せっかく得た職を失い途方に暮れる帰途、成美はふと大学時代を思い出す。顔をあげると、そこには思いがけず掛居が立っていた。

掛居は、以前担当した案件の少年に過去の自分を重ね何かと気にかけていたが、悪い仲間から少年を助けようとして怪我を負ってしまう。守治は投資を約束した相手が契約日に現れず、だまされたことを知る。成美は、マーケティングのセンスを買われ、一度は辞めた会社に復職できることになるが、上司は成美の天敵の邱庭（チウ・ティン）だった。

松岡（ソンガン）の命日、あすなろ会のメンバー４人と松岡の忘形見・小良が顔を合わせる。大学時代に別れて以来、掛居を避けていた成美だが、この日をきっかけにまた連絡を取り合うように。しかし、いまだに掛居が好きだと気づき、成美は距離の取り方に戸惑う。投資詐欺に遭った守治は、開発仲間にも打ち明けられず、解決策を模索していた。

守治は、大きな借金を背負ってしまったことを掛居以外に言えないまま、星華の家に転がり込む。しかし、消費者金融が借金の取り立てに来たことを知り、成美たちにだまって忽然と姿を消す。一方、掛居もまた、成美と別れてからずっと苦しんでいた。当時の誤解を解きたいと言う掛居に、なかなか向き合えない成美だが……。

成美が勤める会社のマスコットキャラクターの偽物が市場に出回っていると知り、邱庭は弁護士の薛（シュエ）弁護士に相談する。邱庭に同行した成美が、そこで紹介されたもう一人の弁護士はなんと掛居だった。そのころ雲隠れしていた守治は、ついに消費者金融に見つかってしまい……。

約束をすっぽかした掛居への信用が一度は揺らいだ成美。しかしそれが誤解だと知り、さらに掛居の母親と話したことで、成美はもう一度掛居と向き合おうと思い始める。掛居のおかげで借金取り立ての危機からようやく脱した守治は、星華と協力して、掛居と成美の復縁を取り持とうと一計を企てる……。

親友たちの後押しもあり、やっとお互いの本音を伝えられた成美と掛居。一緒に過ごす日々の中で、再び気持ちを寄り添わせていく。そんなある日、心理カウンセラーの星華のもとへ松岡とそっくりな男性、康澤（カンゾー）が診察に来る。普段の冷静さを失った星華を目にした康澤は、診察を受けずに帰るが……。

守治は本物の投資家に巡りあい、ついに通信技術の事業を進められることになる。その投資家を紹介した人物であり、また掛居を一人前の弁護士に育てた薛弁護士は、方針の違いから法律事務所を辞めることに。ある日、掛居の家に京京（ジンジン）という美しい女性が現れる。彼女はかつて、掛居が成美と別れるきっかけになった女性だった。

強引に家に泊まり込む京京を追い出すことも、成美にそれを打ち明けることもできずに苦しむ掛居。一方、疲労の色が滲む上司の邱庭に対して、成美は離れて暮らす彼の愛娘の情報を探して労おうとする。そして、守治は、ライブ配信で人気上昇中の美嘉（メイジア）に出会い、彼女の活動を手伝うことに……。

成美が掛居の自宅で彼の帰りを待っているところに、親しげな様子で訪れた京京。今も付き合いがあることにショックを受けた成美は、掛居の弁解に耳を貸そうとしない。守治は、過去と同じ轍を踏もうとしている二人を見て、掛居の不器用さを責める。しかし強引すぎる京京には悲しい秘密があった……。

邱庭が成美を笑顔にする瞬間を偶然見かけた掛居は、成美の笑顔を守るため、身を引こうと決意する。掛居に振られた成美は、失意の最中に邱庭と泊まりの出張に行き、同じ部屋で一夜を過ごすことに……。一方、松岡と瓜二つの患者・康澤は、不眠症に苦しむあまり、星華に助けを求め自宅を訪れた。

成美（チェンメイ）と同じ部屋で一夜を共にした邱庭（チウ・ティン）に腹を立て、守治（ショウジー）は邱庭を殴ってしまう。「訴えてやる」という邱庭の前に姿を見せた守治の弁護士は掛居（グアジュー）。別れた二人は気まずい形で顔を合わせることに。一方、酔った成美に振り回された邱庭は、なぜか今まで以上に成美が気になり出していた。

成美から距離を置きたい掛居は、あえて京京（ジンジン）の部屋を訪れる。しかし、掛居を訪ねた守治に知られ……。星華（シンホワ）のカウンセリングによって不眠症が改善した康澤（カンゾー）は、星華に信頼と好意を寄せるようになっていた。患者との個人的な接触は禁じられているが、康澤の強い思いに打たれた星華は……。

京京と抱き合う掛居を見た成美は、思いを断ち切ろうと邱庭との交際を決める。しかし、邱庭の女性関係のうわさを聞いた守治は、二人の交際に猛反対。一方掛居は、邱庭が成美に隠している真実を知り、成美に知らせようとする。しかし、それを遮るように現れた邱庭は、「成美のために家を買った」と、挑発的に掛居に告げるのだった。

小良（シャオリャン）の誕生会に来た掛居と守治は、星華と一緒に現れた康澤を見て息を飲む。松岡（ソンガン）にそっくりな康澤との交際を認める星華、既婚者の邱庭と交際する成美。お互いのモラルを責め合い、誕生会は気まずい雰囲気に……。ある日、守治は同僚が開発したロボットが大企業ドーヨンに盗用されたとして、掛居に訴訟の弁護を依頼する。

久しぶりに会った薛（シュエ）弁護士から、ドーヨン側の弁護を引き受けたと知らされる掛居。一方、星華との関係を母親に問いただされた康澤は、正直に恋人だと告げる。腹を立てた康澤の母親は星華の診療所に乗り込み、「息子をたぶらかしたと訴える」と星華に詰め寄る。辞職を余儀なくされた星華は……。

掛居は、余命わずかな京京の望みをかなえたいと守治に協力を求める。そして守治が見守る中、掛居は京京とひっそりと結婚式を挙げた。守治は、つらい時期に寄り添ってくれた美嘉（メイジア）の思いを受け入れ、交際をスタートさせる。一方、薛弁護士は掛居を呼び出し、ドーヨンの訴訟から手を引けと迫る。断る掛居に薛弁護士が下した決断は……。

知的財産侵害訴訟の場で、被告側・ドーヨンの弁護士から驚くべき事実を知らされた掛居。徳永の会長と掛居の個人的な関係がマスコミの知るところとなり、掛居はスキャンダルの当事者として追われることに。一方、母親から逃げ出した康澤は、大学時代の恩師の下に身を寄せる。その恩師は、なんと守治の断絶中の父だった。

守治の勧めで、カウンセリングの知識を生かしたライブ配信を始めた星華。小良と接する時間が増えた康澤は、小良にも懐かれ始めていた。そのころ成美は、邱庭が妻と離婚するためにしたある行動を知り、邱庭に不信感が募る。一方、掛居と電話がつながらず、自宅もすでに解約されていることを知った守治は愕然とする。

ライブ配信を通して、小良の存在が松岡の実家に知られてしまった星華。松岡の両親は、小良を後継者にしたいと、あの手この手で干渉してくるように……。長年父と確執があった守治は久しぶりに実家を訪ねるが、似たもの同士の二人はなかなか素直になれない。一方成美は、掛居を探しに彼が幼少期を過ごした九州に向かう。