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江差追分〜Requiem

2011年4月5日、ロンドン郊外の音楽スタジオに、被災地の方々に何かをしたいと考える音楽家たちが集まった。

「音楽を聴いてもらって、ひと時でも安らぎを得てもらえれば」

遠い地からの小さな一歩かもしれない。それでも動かずには、いられなかった。

音楽家たちの中心には、廣田丈自がいた。パーカショニスト、尺八奏者、ボーカリスト、作曲者として、ロンドンを拠点に活躍するワールドミュージック・アーティストである。彼が今回選んだ曲は、漁師の唄でもある「江差追分」であった。


ではなぜ、江差追分だったのか?

今回、この活動をプロデュースしている松任谷愛介氏によると「江差追分は江戸時代から江差・松前に伝わる漁師の歌です。一攫千金を夢見て荒波を乗り越えてニシン漁にでる漁師の逞しさ、決死の覚悟で海に出る男たちと、それを見送る家族の悲哀の曲でもあります。被災地のことを考えると「頑張ろう」ばかりがメッセージではありません。時には音楽を聴いて涙を流していただき、 明日への希望に切り替えていけるような、そのような力を持った曲は、江差追分(前唄)より他にはあり得ませんでした」。


江差追分を通して伝えられるもの

そもそも追分(おいわけ)とは、道が二つに分かれる場所を指す言葉である。大震災がもたらしたもの、それは、誰にとっても大きな分岐点であった。そこに、「江差追分」である理由があるのではないだろうか。




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