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“パリ〜ルーベ”が地獄と称される所以は、パリ〜ルーベ間260キロ中に28ヶ所、総延長52.7キロに及ぶ未舗装の石畳(パヴェ)を走破しなければならないことにある。ロードバイクの細いタイヤが石と石の間の溝に挟まり、他のクラシックレースの常勝者でさえ転倒する。肉体は限界を超え悲鳴を上げる。相次ぐ落車、マシントラブル・・・。事実、本作で描かれる2007年のレースでも出走192名のうち、完走者は半分の96名。選手自身の技術や体力を超えた“幸運”を自らに引き込む力も持った者だけが完走することを許されるのだ。本作は、2007年のレース映像に加え、トム・ボーネン、ファビアン・カンチェラーラ、ジョージ・ヒンカビー、リーヴァイ・ライブハイマーら参戦する名だたる選手たちをはじめ、ディレクター、メカニック、カメラマン、ランス・アームストロングやイヴァン・バッソらツール・ド・フランス常連選手等総勢27名のインタビューを収めた。
2008年/アメリカ/制作 71分 
監督:デヴィッド・ディール  
出演:ランス・アームストロング、トム・ボーネン、イヴァン・バッソ、ジョージ・ヒンカビー、ステュアート・オグレディ、リーヴァイ・ライプハイマー、ジャン=マリー・ルブラン、他

全長259.5Km。レース後半に待つ総計50kmを越えるパヴェ(石畳)セクターを通り、ルーベの街のヴェロドローム(自転車競技場)でゴールを迎える。

■パヴェ

後半160kmから選手たちを迎える石畳“パヴェ”。(本作の舞台となる2007年は28のセクターが設定されている)。パヴェの形状や路上の荒れ具合によって、それぞれのセクターに難易度(1〜5)が設定されている。最も難易度の高いコースは、163.5km地点に登場する“アランベール”と呼ばれるパヴェ。選手は、総計50kmにも及ぶ石畳の上を、雨ならば「泥」にまみれ、晴天ならば巻き上がる「砂埃」をかき分け走るが、その過酷さ故、多くがパンク、落車などでリタイアを余儀なくされる。

2007年4月15日、晴天。つまりパヴェは「砂埃地獄」。さらに過去に類を見ないほど気温が上昇。サングラスなしでは目も開けられない状況でレースは行われた。スタートしたのは192名。ディフェンディングチャンピオンのファビアン・カンチェラーラ(スイス、CSC)をはじめ、トム・ボーネン(ベルギー・クイックステップ)、レイフ・ホステ(ベルギー、プレディクトールロット)のレース運びに注目が集まる。
0〜30km地点 激しいアタック合戦の末、30km地点で33人の大集団がメイン集団から抜け出す。
98km地点 パヴェ区間スタート。逃げ集団から4分10秒遅れでメイン集団がパヴェにさしかかった。
138km地点 ラルフ・グラブシュ(ドイツ、ミルラム)が一人飛び出す。
144km地点 グラブシュと後続の大きな逃げ集団との差は50秒。メイン集団は5分以上遅れている。
163,5km地点 グラブシュは“パヴェ”アランベールに。20人ほどの追走集団も約1分30秒遅れでアランベールにさしかかる。
メイン集団の中で落車が発生。多くの選手が巻き込まれで、ファビアン・カンチェラーラも巻き込まれた。
175km地点 ついに、先頭グラブシュは後続集団に吸収され、逃げ集団は約20人。トム・ボーネンやレイフ・ホステらのメイン集団が2分ほどのタイム差で続く。
さらに、ダヴィト・コップ(ドイツ、ゲロルシュタイナー)、ケヴィン・ファンインプ(ベルギー、クイックステップ)、オラフ・ポラック(ドイツ、Tモバイル)の3人が先頭集団から飛び出して1分強のタイム差を稼いだ。
225km地点
(残り34km)
ポラックが脱落して、先頭は2人に。追走集団は30秒遅れ。
メイン集団からステファン・ウェーゼマン(スイス、ウィーゼンホーフ)がアタック。この動きにスチュワート・オグレディ(オーストラリア、CSC)が乗り、フアンアントニオ・フレチャらの追走集団に合流。ボーネンやホステ、マークス・ブルグハート(ドイツ、Tモバイル)らは後方に取り残された。
234,5km地点
(残り23km)
逃げていたコップとファンインプはここで吸収。先頭集団からウェーゼマンがさらにアタック。このアタックにオグレディが再び乗る。オグレディとウェーゼマンが逃げるが、残り23km地点でウェーゼマンは脱落。先頭はオグレディの独走状態に入った。
251km地点
(残り8km)
先頭を逃げるのはオグレディ。フレチャ、ルークマンス、ペティート、ウェーゼマンの4人は1分遅れ。
257km地点
(残り2km)
先頭オグレディの脚は止まらない。後続との差は1分14秒。オグレディがガッツポーズ!
  ゴール地点、ベロドロームのトラックを走るオグレディ。天を仰ぎながら、ついにゴールに飛び込んだ。

2位は、ウェーゼマンを打ち破ったフレチャがスペイン人としては初の快挙となる2位に入った。遅れて追撃を試みた「ボーネングループ」は結局55秒遅れでゴール。トム・ボーネンは6位。

出走192名のうち、完走者は96名。メイン集団を引くなどアシストに徹した別府史之(日本、ディスカバリーチャンネル)も途中リタイア。
パリ〜ルーベ2007結果
1位 スチュアート・オグレディ(オーストラリア、CSC)      6h09'07"
2位 フアンアントニオ・フレチャ(スペイン、ラボバンク)       +52"
3位 ステファン・ウェーゼマン(スイス、ウィーゼンホーフ)  
4位 ビョルン・ルークマンス(ベルギー、プレディクトールロット)   +53"
5位 ロベルト・ペティート(イタリア、リクイガス)          +55"
6位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)  
7位 ロジャー・ハモンド(イギリス、Tモバイル)  
8位 エンリコ・フランツォーイ(イタリア、ランプレフォンディタル)  +56"
9位 ケヴィン・ファンインプ(ベルギー、クイックステップ)      +1'24"
10位 ファビオ・バルダート(イタリア、ランプレフォンディタル)   +2'27"