【#1】
「下り電車は朝でも座れていいな」…そんなことを思いながら、埼玉県・上尾に降り立った井之頭五郎(松重豊)。この日の昼飯は、前日入ろうとしたところ、急ぎの仕事の電話が入り、泣く泣く諦めたとんかつに決めていた。朝から完全にとんかつモードの五郎は、商談をとっとと片づけて、早めの昼飯をとろうと意気込む。この日の商談相手は、呉服店の新井和子(木野花)・義彦(山上賢治)夫妻。五郎の友人・滝山の紹介による依頼だったが、2人と会話をするうちに、滝山がなぜ自分に仕事をふったのか真意を知ることに…。疲れ切った五郎は必死にとんかつ屋さんを探すが、なかなか見つからない。ようやく見つけたのは、上尾駅からはるか遠くのある食堂。入口にあるメニュー札に“カツ”の文字が!しかも本店が精肉店と知り、ニンマリしながら店内へ。 女将(田畑智子)が出迎える店内はかなり繁盛している様子。カツ以外の気になるメニューに、五郎は心が揺れながらも、初志貫徹でカツ定食を注文。運ばれてきたカツの威圧感に舌を巻く。
個人で輸入雑貨商を営む“井之頭五郎(いのがしら ごろう)”は、商用で様々な街を訪れる。そして一人、ふと立ち寄った店で食事をする。
そこで、言葉で表現できないようなグルメたちに出合うのだった――
キャスト:松重豊、久住昌之
脚本:田口佳宏、児玉頼子
【原作】『孤独のグルメ』作/久住昌之・画/谷口ジロー(週刊SPA!)
【監督】溝口憲司、井川尊史、北畑龍一
【音楽】The Screen Tones(久住昌之、フクムラサトシ、河野文彦、Shake、栗木健)