平和を望む紀雲禾（きうんか）は空明（こうめい）から霊力を奮起させる丹薬をもらって飲むと、北淵の軍勢と対峙する万花谷の御霊師たちの前に立ち、北淵に帰順するよう説得する。だが、そこで最期の霊力を使い果たした紀雲禾は長意（ちょうい）の腕の中で息絶え、体内の鮫珠が長意の体に戻っていく。一方、紀雲禾から過去の真相を伝える遺書を受け取った青（せい）姫は…。

長意（ちょうい）は紀雲禾（きうんか）がかつて自由を味わった思い出の冰湖で消えていく彼女を見送る。それを見守った天君は紀雲禾の遺言から仙令が示しているのは寧清（ねいせい）の持つ強大な霊力の秘密が隠された無名山だと悟り、その所在を探すために旅立つ。一方、林昊青（りんこうせい）は御霊師の体を失い小さな九尾狐となった紀雲禾を見つけると密かに万花谷に連れ帰り…。

汝菱（じょりょう）は仙師府に背いて人間界に逃げた御霊師たちを捕らえるように腹心の朱凌（しゅりょう）に命じる。一方、兄弟子の姫成羽（きせいう）はそれを密かに空明（こうめい）に知らせる。その頃、万花谷では幼い紀雲禾（きうんか）が林昊青（りんこうせい）に守られながらすくすくと育っていた。そして、彼女は師匠と慕う林昊青から護身のための法術や外見を変えて見せるための幻形術を学ぶと…。

林昊青（りんこうせい）は寒霜の解毒薬が完成したら紀雲禾（きうんか）と世界を巡る旅に出ようと考えていた。だが、長老・東濂（とうれん）ら御霊師が朱凌（しゅりょう）に捕らえられ、彼らが持ち帰るはずだった薊柏草を受け取れず解毒薬作りは失敗に終わる。そこで彼は紀雲禾を先に独りで人間界へと送り出す。すると、幻形術で少年に化けた紀雲禾は仙師府の弟子・姫寧（きねい）と知り合って…。

北淵で投獄されるも機転を利かせて脱獄した紀雲禾（きうんか）。光る真珠に導かれた彼女は長意（ちょうい）と出くわすが、万花谷から来たことは隠すことにする。一方その頃、林昊青（りんこうせい）は汝菱（じょりょう）に従順なふりを続けることで、何としても東濂（とうれん）たちを救い解毒薬の研究を続けるつもりでいた。また、雪三月（せつさんげつ）と離殊（りしゅ）は天君の一行とは分かれて無名山を探していたが…。

紀雲禾（きうんか）の策で殺人の罪を逃れようとしていた奇鋒（きほう）が捕らえられる一方、紀雲禾は奇鋒の手下に襲われる。そこに駆けつけた長意（ちょうい）は幻形術が解けた紀雲禾を見て彼女の正体に気づく。一方、天君たちはついに無名山に辿り着き真実を知る。先の天君がここに封じた悪念と化した凶獣の朱厭（しゅえん）は、寧清（ねいせい）と取引きして肉体の復活を企てていた…。

長意（ちょうい）は紀雲禾（きうんか）の幸せを願い以前の記憶がない彼女に優しく接する。一方、林昊青（りんこうせい）は解毒薬を完成させるが、なぜか寒霜は解けない。また、紀雲禾が北淵にいると知って迎えに行くが、その時、朱凌（しゅりょう）が雷火地脈を復活させたため北淵は爆発寸前となる。それを長意が命懸けで止めようとしているところに、紀雲禾も飛び込んでいくと…。

朱厭（しゅえん）を滅ぼさないと寒霜も解けないと知った林昊青（りんこうせい）は、記憶を取り戻した紀雲禾（きうんか）を長意（ちょうい）に託すと朱厭と戦うことを決意。一方、紀雲禾と長意はわだかまりを解いて変わらぬ愛を誓い合う。また、林昊青と手を結んだ青（せい）姫は楽游山に寧清（ねいせい）を誘き出すが絶体絶命に。すると、朱厭が現れて地仙同士なら肉体が共有できると彼女を誘惑して…。

紀雲禾（きうんか）は自ら仙師府に赴いて寧清（ねいせい）と対峙し、長意（ちょうい）と寧悉語（ねいしつぎょ）の力を借りて朱厭（しゅえん）が宿る寧清の指輪を外させることに成功。そこで長意が心血鋳剣で朱厭に止めを刺すが、その際に致命傷を負った彼は空明（こうめい）の必死の治療も虚しく余命わずかとなってしまう。同時に、恨みを募らせた汝菱（じょりょう）が寧清と朱厭の邪悪な霊力を引き継ぎ妖魔と化して…。

長意（ちょうい）の命が尽きようとしていると知って決意を固めた紀雲禾（きうんか）は3日後に婚礼を挙げると発表、いそいそと婚礼衣装を手作りし始める。一方、離殊（りしゅ）は雪三月（せつさんげつ）と幸せになるつもりが、自分には命を懸けてもやり遂げなければならない使命が残されていると知って悩む。こうして迎えた婚礼当日、皆に祝福されながら愛を誓った二人は…。

婚礼の翌朝、紀雲禾（きうんか）は長意（ちょうい）を失った悲しみを堪えながら迫り来る汝菱（じょりょう）との戦に備える。そっして、飛廉（ひれん）神君と雷沢（らいたく）神君の献身によって天君が琉璃心灯を修復させると、離殊（りしゅ）が命と引き換えに心灯に天火をもたらし殞魔陣を開く準備が整う。そこで、汝菱に心魂を操られた御霊師たちの軍勢が現れると、紀雲禾は一対一で汝菱に立ち向かい…。

天君の持っていた菩提果によって鮫尾を取り戻した長意（ちょうい）は、かつての力を回復して蘇り汝菱（じょりょう）と対決。また、紀雲禾（きうんか）は心魂を操られた林昊青（りんこうせい）と戦い、殞魔陣を開いた天君を守る。その結果、二人は汝菱を殞魔陣に捕らえるが、完全に汝菱を滅ぼすために九尾の狐に姿を変えた紀雲禾は、再び戻ってくると約束してマグマの中へ飛び込み…。

空桑の王の子として鏡城に連れてこられた真嵐（しんらん）は、皇天（こうてん）の指輪に認められて空桑の皇太子となる。一方、そぼもまた如意（にょい）から自分が海皇だと告げられるが、それを受け入れられないでいた。そんな中、白氏の長女として真嵐の太子妃に立てられた白瓔は、自らの道を歩みたいと葛藤しながらも運命を受け入れる。その矢先、海魂珠（かいこんじゅ）を取りに来たそぼと話し…。

教養を学ぶため鏡塔で過ごすことになった白瓔は、楽師としてそぼが鏡塔にいることを疑問に思う。どういう基準で従僕が選ばれたのか知ろうと試みるが、理由はわからなかった。一方、そぼを鏡塔に送り込んだ青王は白瓔の妹の白麟（はくりん）にも酒を持たせて白瓔に会いに行かせる。そんな中、真嵐は青王から兵糧が補給されないと西京（せいきょう）将軍に聞いて…。

侍女と偽って自分の目を気にかけてくれる白瓔を誘って、鏡塔から一緒に満月を眺めたそぼ。彼女の優しさに触れて次第に心惹かれていく。一方、滄流（そうりゅう）五師の1人、師彭（しほう）と密かに通じていた青王は、真嵐に兵糧の件で問い詰められるが動じずに対応する。そんな中、白瓔は目が治ったのに自分の前に現れないそぼがどう過ごしているのか気にするが…。

そぼは青王の間者に暗殺されそうになった白瓔の命を助ける。一方、滄流の大軍に立ち向かう西京だったが、師彭に妻を人質に取られ、自らの手で彼女を殺し悲しみに暮れる。そんな中、鏡塔を下りたそぼは青王に「血契（けっけい）」という禁断の技を使い、如意を救い出すことに成功。花神節（かしんせつ）の祭りに願掛けをしに行ったそぼは密かに祭りへ来ていた白瓔と出会うが…。

白瓔はそぼを愛したため封印が解かれ、后土の力を継承できず空桑を守れなくなってしまう。責任を感じた白瓔は、他の人が后土（こうど）の力を継承できるように鏡塔から身投げする。その後、曄（よう）城が滄流軍に破られ、真嵐の皇天と帝王の力までも封印されてしまい、民は無色（むしき）城に隠れる。そして現在、悲しみを抱えたそぼは雲荒を目指して旅をしていたが…。

天闕（てんけつ）をさまよう途中、洞窟に落ちた那笙はそこで不思議な指輪を見つける。指輪は自然に那笙の手にはまるが、それは封印されていた皇天だった。驚いた那笙の前に真嵐が姿を現し、皇天を桃源郡へ届ける約束をする。しかしその道中、那笙は鷙者（ししゃ）の命を受けた滄流兵たちに命を狙われ、偶然目の前を通り過ぎようとしたそぼに助けを求めるが…。

滄流の将軍である羽幻（うげん）と戦うことになったそぼ。隙をついて白瓔と那笙はその場を脱出し、さらに皇天と后土の力を合わせて真嵐は遂に実体化した。そぼの助太刀に向かった白瓔は光剣を使う羽幻を見て、同門ではないかと不安を覚える。そぼは助けに来てくれた白瓔に感謝を告げるが、彼女から再会したいと願ったことなどないと言われ…。

羽幻の命を狙った鮫人の瀟（しょう）は、炎汐（えんせき）をおびき寄せるおとりに使われる。炎汐はなんとか逃走するが、手傷を負う。作戦が失敗した瀟を南昭（なんしょう）が始末しようとするが、羽幻は自分の部下にすると告げ彼女を連れ去る。一方、桃源郡にやって来た那笙は、あやうく人買いに売られそうになるが、そぼに助けられる。そぼは如意が経営する賭場を訪れ鮫人の状況を知ると…。

そぼに言われ桃源郡の外にいた那笙は、そこで瀕死の炎汐を発見。貴重な薬草である雪罌子（せつおうし）を使って炎汐を助けるが、追手から逃げるため桃源郡へ向かう。一方、炎汐たちを見つけたそぼは手当てをするため如意の営む賭場へ行くが、たまたま店に来ていた西京と出会う。そんな中、那笙の心配をして桃源郡に来た白瓔は彼女と賭場に入るが…。

賭場の隠し部屋にいたそぼと再会した白瓔が、術の反動で様子のおかしいそぼに戸惑っていると、そのうち彼は気を失ってしまう。一方、炎汐を捜していた那笙が如意を問い詰めていると、賭場に滄流兵を率いた羽幻が現れる。そぼを見つけるため屋敷を捜索していたが、発見する寸前、高舜昭（こうしゅんしょう）総督が駆けつける。やむなく羽幻は引き上げることにするが…。

羽幻は鮫人の法力で操縦する飛行機械である風隼（ふうしゅん）の部隊を桃源郡へ発進させることを決意。羽幻に救われた瀟が滄流軍の一員として出撃することになる。一方、西京と再会した真嵐は、皆で賭場から脱出しようとする。だが、滄流兵の追撃に阻まれて乱闘のさなか、日光に当たった白瓔は倒れてしまう。賭場に連れられて来た白瓔をそぼが助けようと試みるが…。

東籬（とうり）府の化粧局の侍女となるため、試験を受けた司妍（し・げん）。自信満々の金箔メークで臨むが、結果はまさかの“丙”。納得がいかず崔（さい）尚宮に食ってかかったことで、東籬府を追い出されそうになるのだった。門外へと連れ出された彼女の前に、１台の馬車が。「ヒーローの登場？」――司妍は窮地を救ってくれる新キャラの登場を期待するが…。

化粧局ではなく養蜂所に配属された司妍（し・げん）は、「こんなので尚宮になれるの？」と疑問を抱きながらも、眉墨作りのクエスト達成に精を出すのだった。一方、其官儀（きかん・ぎ）は、閔（びん）将軍の娘・童蕊（どうずい）を妻とする決心を固める。それは、亡き兄・其官騰（きかん・とう）の後継者となり、若城主となってほしいという母の望みでもあった。

眉墨製造に成功した司妍（し・げん）に、新たな試練が。ひどい肌荒れに悩む衛（えい）美人を花見に参加させ、城主からの寵愛を取り戻すこと――それが新しく命じられたクエストの内容だった。しかし衛美人は人目を気にして長信閣にこもりきりで、会うことすらできない。そんななか、其官儀（きかん・ぎ）は毒を盛られているのではないかとの疑惑が持ち上がり…。

少主たちと閔童蕊（びん・どうずい）との見合いが目的で行われる花見を前に、其官儀（きかん・ぎ）が病を患っているという噂が広まる。当の其官儀も、毒のせいと思われる発疹の治療法はないものかと苦慮していた。そんなある日、司妍（し・げん）のもとに手紙が。“今夜、私の部屋に来い”――差出人は其官儀だった。彼はある極秘任務を司妍に命じ…。

メークワックス作りに必要な松脂（まつやに）は、其官保（きかん・ほ）から手に入れることができた。彼は化粧品を作ることに興味があると言い、司妍（し・げん）の手伝いをしたいと申し出る。そのせいで東籬（とうり）府では、例の侍女は九少主まで落としたのかと噂に。それを耳にした其官儀（きかん・ぎ）は、「あの侍女には近づくな」と其官保に警告し…。

其官儀（きかん・ぎ）の口添えで、司妍（し・げん）は花見の席上で行われる化粧大会に特別参加することに。制限時間内に花を題材とした化粧を考案し、その美しさを競うのだ。優勝候補と目されていた胡瑩（こ・えい）を破り、勝利を手にした司妍。次なる勝負のお題は“変身”――対戦相手は閔童蕊（びん・どうずい）の侍女・桃桃（とうとう）と決まり…。

城主と共に使節団を出迎えることとなった第二夫人の化粧を、誰が担当するのか。様々な思惑と事情が交錯し、府内の人間関係が絡み合ったせいで、それは誰もが辞退したい大役になっていた。皆が尻込みするなか、貧乏くじを引かされたのは司妍（し・げん）。しかも、化粧大会で腕を競った因縁の相手・桃桃（とうとう）と協力するよう、第二夫人に命じられ…。