2019年冬。東北の港町で暮らす小沢翼は、歌手になる事を夢見る20歳。しかし、彼女は「どんなに頑張ってもどうせ歌手になんかなれない」と諦めていた。

一人の女性がある青年に出会ってしまったとき、 封印されていた「ミステリーの歯車」が、時空を超えて動き出す…！本屋大賞受賞作『そして、バトンは渡された』を執筆し近年ますます存在感を表している瀬尾まいこが手掛けた『優しい音楽』（双葉文庫）をドラマ化します！感動し温かい気持ちになるだけでなく、「なぜ千波（土屋太鳳）はタケル（永山絢斗）に近づいたのか?」などのミステリー要素もありつつ、二人の恋愛模様に胸キュン必至の本作。

認知症の妻を看取って半年、ようやく気持ちの整理がついた脚本家の菊村栄は、生まれてから80年近く暮らしてきた東京を離れる決意を固める。

菊村栄は、東京の家を息子に譲り、自分はテレビに功績のあった者だけが無料で入れる老人ホーム『やすらぎの郷』に入居することを、中山保久に告げる。

テレビに功績のあった者だけが無料で入れる老人ホーム『やすらぎの郷』への入居――、まるで夢のような話を中山保久に打ち明けた翌日、菊村栄は東京で最後の夜を迎える。

『やすらぎの郷』に到着した菊村栄は、その豪華さに目を見張る。シックな建物。眼下には海。

菊村栄には、中央の居住棟から離れたコテージが用意される。夕方にはさっそく、古い付き合いの…。

『やすらぎの郷』に入居して最初の夜、菊村栄は驚くほど気持ち良く深い眠りにつく。

三井路子が菊村栄のヴィラを訪ねてくる。歌手から女優へ転身し、栄の作品で賞を獲ったこともある路子は…。

菊村栄は三井路子の依頼を断るものの、数日経っても路子が話した「女の三つのターニング・ポイント」という…。

一連の話を聞いた水谷マヤが菊村栄のヴィラを訪ねてくる。新たなる不吉の到来を予感する栄に…。

“姫”の愛称で呼ばれる永遠のマドンナ、九条摂子（八千草薫）が菊村栄（石坂浩二）に声をかけてくる。

菊村栄（石坂浩二）は、九条摂子（姫／八千草薫）に鑑定を頼まれた形見分けの絵を、本物であれば数千万円の値打ちがあると見積もる。

とんでもなく高価なものかもしれない形見分けの絵を、このまま黙ってもらうべきか、それとも返すべきか。

九条摂子（姫／八千草薫）が出した結論をめぐり、バー・カサブランカでは菊村栄（石坂浩二）、真野六郎（マロ／ミッキー・カーチス）、岩倉正臣（大納言／山本圭）が、女の格の違いを話題に盛り上がる。

菊村栄（石坂浩二）は、名倉みどり（草刈民代）から呼ばれた事務所で、芸術委員会経由で仕事の依頼があると聞かされる。

名倉修平とみどりは、濃野佐志美の最新作について菊村栄に相談することを決め、詳しい内容を話し始める。

“濃野佐志美”こと井深凉子に最新作『散れない桜』の発表を断念させるため、菊村栄は凉子を、財前ゆかりの祖父が営む人里離れた小料理屋の『山家』に誘う。

井深凉子は、なぜスターの名前を捨て濃野佐志美に生まれ変わったのか、その理由を菊村栄に語る。

井深凉子は『散れない桜』の出版取り下げに同意するが、その「復讐」だとして、菊村栄が亡き妻の律子を自殺未遂にまで追い込んだ。

白川冴子の78回目の誕生日パーティーが3日後に迫る。かつてお嬢の誕生日パーティーといえば、招待されることが芸能界のステイタスだった時代がある。

出席者が集まらず白川冴子はホテルでの誕生日パーティーを断念する。しかし、高額のキャンセル料が発生。

白川冴子は自分の誕生日パーティーに来ない不届き者を“ナスの呪い揚げ”に処すため、リストアップを始める。

白川冴子による呪いの儀式は、菊村栄らが見守る中、深夜に終了。

呪いの儀式の翌朝、狂宴のうわさは名倉みどりの耳にも届き、九条摂子は呼び出しを受けてしまう。

白川冴子は、さすがに人を呪い殺したショックで自室に引きこもってしまう。真野六郎も共犯者として気に病んでいる様子。

高井秀次が新たな入居者として『やすらぎの郷』にやってくるという。

高井秀次、入居の日がやってくる。『やすらぎの郷』は入居者、従業員を問わず、我先に秀次に挨拶しようという者たちで色めき立つ。

日没後の海が茜色に染まる中、菊村栄と岩倉正臣の二人はついに現れなかった高井秀次の話をしながら…

あまりにも高井秀次らしい華麗なる登場に『やすらぎの郷』が沸き返ったその日の晩、菊村栄は思いがけず秀次の来訪を受ける。