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リアルな骨格と等身のキャラクター、挽歌的な世界観、緻密な映像、大人の雰囲気をたたえたハードなドラマなど、日本製アニメは全世界で大評判だ。それを"J-Anime"と呼ぼう!日本製ならではの高評価の頂点に立つのは、りんたろう監督、川尻善昭監督とマッドハウスが製作した一連の作品群。躍動するイラストとでも言うべき研ぎ澄まされた映像美は心に突きささり、一度観たら病みつきになる。そのルーツにあたる作品群を徹底的に楽しんでみよう! |
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●スタイリッシュな映像美?? 時代の開拓者 りん たろう監督
りん たろう監督は、日本を代表するアニメ作家のひとり。劇場版『銀河鉄道999』(原作:松本零士)や『メトロポリス』(原作:手塚治虫)などが代表作だ。東映アニメーションの第1回長編『白蛇伝』や虫プロダクションのTVアニメ第1作『鉄腕アトム』にも参加している超ベテランだが、常に最先端のビジュアルを求め続ける姿勢は今も一貫している。近年もCLAMP原作の劇場映画『X』や、大倉維人原作のTVアニメ『天上天下』のオープニングを担当。新たな時代の開拓を続けている。 |
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大友克洋をアニメの世界へ! 最終戦争《ハルマゲドン》を描いた『幻魔大戦』 |
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1967年に「少年マガジン」に掲載されたコミック(原作:平井和正、石ノ森章太郎)が原典。1978年に平井和正が小説化したものがヒットし、1983年に「ハルマゲドン接近」のキャッチコピーで角川アニメの第1作目として映画化された。りん たろう監督はアニメ化に際して過去にとらわれず、世界観を再構築。当時、漫画『AKIRA』を連載開始して注目されていた大友克洋をキャラクターデザインに起用して、世間をあっと言わせた。これは大友克洋自身がアニメ製作に参画するきっかけにもなった。宇宙を虚無の世界に変えようとする幻魔。その魔手が伸び、滅亡に瀕した地球を守るのは覚醒した超能力戦士たちだった。最終戦争《ハルマゲドン》への過程が、現実の吉祥寺などにロケハンしたリアルな風景の中で克明に描かれる。リアルな大友キャラは、そこに良くマッチしていた。クライマックスは迫力あるエフェクトで知られる金田伊功が「スペシャルアニメーション」を担当。超絶なる害意を紅蓮の炎に置き換え、超能力戦を迫力あるビジュアルとして提示している。 |
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けれん味たっぷり! 幕末無国籍時代劇 宝探しに忍術合戦! 『カムイの剣』 |
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『幻魔大戦』のヒットを受け、1985年に公開された角川アニメ映画の第2弾。矢野徹の壮大なる冒険小説を映像化した大作である。動乱の時代??幕末。漁村の少年・次郎は親殺しの罪を着せられたが、僧侶の天海に助けられて忍者として生きる術をたたき込まれる。しかし、その背後には「海賊キャプテン・キッドの財宝」をめぐる恐るべき陰謀が秘められていたのだ……。宇崎竜童と林英哲によるケチャと和太鼓をモチーフとした躍動感あふれる音楽に乗せ、眼前に展開するのは驚くべき忍法合戦の幻想的なビジュアル。刃が青くきらめき、蝶が舞って“くノ一”が華麗に分身する。まぶしい光と鮮烈な色彩によるスタイリッシュなアクションシーンは、それまでのドロンと煙の出る古典的な「忍者もの」の概念を一変させ、後に続く作品群にも多大なる影響を与えた。大海を超えて、はるか開拓時代のアメリカまで拡がり続ける舞台のスケール感も大きな魅力のひとつ。 |
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魔人・加藤保憲の野望! 帝都東京に壊滅の危機迫る 陰陽道をブームにした 『帝都物語』 |
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原作は荒俣宏のベストセラー小説で、故・実相寺昭雄監督によって実写映画化され、大ヒットとなった。時代は大正。帝都には軍服に身を包む魔人・加藤保憲が暗躍していた。彼の目的は平将門の怨霊を覚醒させ、東京全土に大崩壊を起こすことにあった……。式神や風水術など日本古来から伝わるアイテムを駆使し、和風サイキックロマンの基礎となった作品である。このアニメ版は1991年?1992年、全四部で製作されたOVAである。りん たろう監督のもとにマッドハウス、GAINAXで数々の作品をものにしてきた精鋭スタッフが結集。キャラクターデザインは摩砂雪(『新世紀エヴァンゲリオン』副監督)、演出には片山一良(『THE ビッグオー』監督)、千明孝一(『ブレイブ ストーリー』監督)など、著名クリエイターが多数参加している。りん たろう監督独特のハイコントラストで鮮やかな色に充ちた画面の中で、アニメ表現独自の伝奇的な世界観を作りあげた。また魔人加藤の声は実写版と同じく嶋田久作が担当し、破滅を望む者の存在感を確固たるものとしている。 |
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世界的超人気! 川尻善昭監督 シャープでハイデフ(※)な映像美が 目を奪う
米国ファンにJ-Animeを代表するハイ・デフィニション(※)作品を尋ねれば、100万本近いセールスを記録した劇場映画『獣兵衛忍風帖(英語題名:Ninja Scroll)』とその監督、川尻善昭の名が真っ先に挙がるはずだ。連作短編アニメ『アニマトリックス』でも重要なパートを監督、まさに日本を代表するアニメ監督である。川尻監督はマッドハウス所属。アニメーター出身で、『幻魔大戦』や『カムイの剣』にも参加している。1984年、講談社製作の映画『SF新世紀レンズマン』で初監督を務める。1987年にコントラストが激しく緻密な映像で、エロス&バイオレンスの大人向けの内容をハードボイルド・タッチで描き出した劇場映画『妖獣都市』が大ヒット。同作は国内のみならず、香港で実写映画がリメイクされるほどの世界的評価を得た。ハリウッドでは『獣兵衛忍風帖』のリメイクが進行中など、アクション映像ではまさに世界のトップ・クラス。数々のクリエイターにも影響を与えている。日米合作による2001年の劇場映画『バンパイアハンターD』は世界市場を前提に公開され、大ヒット。現在は『Highlander: Vengeance』が準備中。全世界が注目する、必見のアニメ監督である。
※ハイデフ、ハイ・デフィニション=高密度・高精細 |
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人間界と魔界の共存? 妖獣の刺客が続々登場! 圧巻の美麗ビジュアル 『妖獣都市』 |
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人間界と魔界の間には密かに休戦条約が締結されていた。休戦の安寧を妨げる過激派と戦う「闇ガード」の滝蓮三郎は、魔界側の同業者・麻紀絵とコンビを組み、魔道士マイヤートの護衛を命じられる。だが過激派リーダーのMr.影は、蜘蛛女をはじめとする恐るべき刺客を次々に送りこんできた。その真の目的とは……。みどころは、大都会の闇に繰りひろげられる妖獣と人間の暗闘。光と影の対比を強く意識したモノトーン中心の映像は、かつてない鮮烈で美しいビジュアルだ。エロティックなシチュエーションの中で、おぞましい怪物たちとの激闘が強烈に浮き彫りにされていく。そして究極の美麗でショッキングな映像の果てに待っているテーマは「愛」。ラストでは感動に圧倒されること間違いなし! |
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原作は菊地秀行のデビュー作。ヒロイックファンタジーの核を抽出し、怪奇テイストで仕上げた伝説のベストセラー小説である。『妖獣都市』で大人気となった川尻善昭は、監督、作画監督を兼任している。怪現象《魔震》で壊滅した東京・新宿は妖気に包まれ、人を近づけぬ怪奇な無法地帯と化してしまった。やがてそこに出現した魔道士は、地球連邦首席を暗殺することで世界的な災厄をもたらそうと企む。首席の娘を守って立ち向かうのは、かつて魔道士との闘いに敗れた念法使いの息子、高校生の十六夜京也。宿命の戦いが幕を開ける……。みどころは、恩田尚久が担当する華麗なキャラクターデザイン。そして、実在の新宿歌舞伎町や地下鉄など、身近な場所をモチーフにした廃墟のリアリティと不気味さ。そこで暗躍する妖鬼たちに対し、身体ひとつ木刀一本で立ち向かう十六夜京也の潔さ。ハラハラドキドキの躍動感、魔界に呑み込まれるような緊迫感が、心ゆくまで楽しめる! |
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全人類の記憶喪失と同時に 文明崩壊…… ただ一人残った少年の運命は? 『風の名はアムネジア』 |
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原作は菊地秀行の未来SF小説。監督は、『スレイヤーズ』等で知られる やまざきかずお。りん たろうと川尻善昭は監修として参加している。ある日、世界中に吹いた謎の「風」によって全人類は記憶を失ってしまった。その結果、これまで築き上げられた文明も文化も一瞬にして奪われてしまい、人は廃墟の中で原始的な生活を強いられる。この大惨事の中で、偶然にも記憶を取り戻すことに成功し、世界中を旅する少年ワタル。謎めいた女性ソフィアと出逢った彼が目にするもの、見届けるものとは……。人間の暮らしを根底で支える「記憶」がすべて失われてしまったら……という「究極のIF」を硬質な映像でスリリングに描きぬく。ワタル青年の旅を中心に物語が進行。ゾンビのような記憶喪失の群れ、操縦者を失いながら攻撃をやめない機械兵器、あくまでもプログラム維持を強行しようとする巨大コンピュータなど、旅先でめぐり逢うさまざまな要素が最後まで興味を引きつけ、その中で世界の美しさと「風」の正体が浮かびあがる。「人間らしさ」の本質に迫る異色SFアニメである。 |
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©1983角川映画
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