上官秋月（じょうかん・しゅうげつ）の配下である葉顔（よう・がん）が秦流風（しん・りゅうほう）を訪ねてきて、春花（しゅんか）は百花劫（ひゃっかごう）という毒に侵されており、平常心を失うと手のひらの赤い斑紋が黒く変色して死に至るのだと伝える。蕭白（しょう・はく）は上官秋月の仕業に違いないと推測し、彼を捜し出して解毒させようと考える。そんな折、春花の寝室に上官秋月が忍び込んできて、危うく蕭白に気づかれそうになる。

春花（しゅんか）が上官秋月（じょうかん・しゅうげつ）と密会していると、突然、冷影（れい・えい）が現れる。長生果の在りかを問いただす冷影に対し、上官秋月は冷影が風千衛（ほう・せんえい）を毒殺したという事実を指摘する。襲いかかってきた冷影に上官秋月が止めを刺した瞬間、蕭白（しょう・はく）が現れ、鳳鳴刀が炸裂。上官秋月は春花が蕭白を呼んだのかと疑って彼女に失望の目を向け、配下の葉顔（よう・がん）と共にその場から飛び去る。ショックを受け、体に毒が回って倒れる春花。蕭白は必ず春花を救うと誓うのだった。

酒楼で別人に成りすました上官秋月（じょうかん・しゅうげつ）を見かけた春花（しゅんか）は、李漁（り・ぎょ）にその人物が誰なのかを尋ねる。すると李漁は、その男は周（しゅう）という名の有名な材木商で、先日は唐突に卜（ぼく）先生の家の柱に関する謎めいた話をしてきたのだと話す。春花は周に化けた上官秋月が何を企んでいるのかといぶかしむ。そんな折、蕭白（しょう・はく）と春花たちは卜先生が開いた宴に参加することに。

上官秋月（じょうかん・しゅうげつ）と一騎打ちをする蕭白（しょう・はく）。その傍らで春花（しゅんか）の毒は打つ手がないほど広がり、死の淵をさまよう事態になっていた。解毒薬がない百花劫（ひゃっかごう）。唯一残された道は、純陽の気か三陰の気か、いずれかの特別な功力を使って救うという方法だった。図らずも蕭白と上官秋月がそれぞれ持っている功力だったが、それは命を引き換えにする行為に等しかった。春花を救うために全てを差し出したのは…。そして彼女が見つけた本当の愛の意味とは…。

ハン・シャンイエンは自分のチームＫ＆Ｋにシャオミーを誘う。しかしソロからも誘われたシャオミーはＳＰを選ぶ。ソロとハンは10年前、チームＳＯＬＯのリーダーとメンバーだったが、国内大会で優勝したあと、ソロが抜けると知ったハンが激怒。ハンも抜け、ＳＯＬＯは解散した。一方、ハンを忘れられないトン・ニエンは、ハンのゲームＩＤが“グラント”と知り、同じゲームをプレーして接近を試みる。しかし、ハンはＫ＆Ｋのメンバー、グラントのＩＤを借りていたのだ。

オンラインゲームを一緒にプレーして“グラント”ことハン・シャンイエンに守ってもらったトン・ニエンは、その優しさにますます恋心を募らせる。そんなある日、学業のかたわら活動するネット歌手“リトル・スクイッド”としてサイン会を開催。そのすぐ近くで開かれているeスポーツ大会にハンがいることを知ると大会会場へ向かう。何とか応援に間に合うも、グラントが体調不良で倒れたと耳にし、慌てて休憩室へ突撃する。

ハン・シャンイエンの彼女に間違えられたトン・ニエンは、Ｋ＆Ｋが泊まっているホテルへ一緒に行くことになる。ハンの部屋へ呼ばれてドキドキのニエンだったが、そこにはハン以外に本物のグラントも。なんとか誤解も解け、帰ろうとしたニエンをハンが食事に誘い、そこで彼女が飛び級するほど秀才で、ネット歌手であることも明らかになる。ハンへの想いが募るニエンは彼の過去を調べることに。

もう一度ハン・シャンイエンに会うため、K＆Kが出場するeスポーツ大会の決勝戦を見に行ったトン・ニエンは、チケットがなく入り口で足止めを食うことに。だがハンの厚意で会場へ入れることになり、大喜びしたニエンだったが、「今後は二度と会うことはない」と冷たい言葉をかけられる。一方、K＆Kのメンバーたちは、ハンとＳＰオーナー・ソロの不仲について、驚くべき理由があることを知る。

Ｋ＆Ｋクラブでは、メンバーたちが故郷で春節を過ごそうと帰省していた。そんな中、帰る家のないデモは１人寂しくクラブに残っていたが、ハン・シャンイエンに誘われ、ハンの家で年を越すことに。ところがハンは夕食で出てきた鶏のもも肉を見て、急に機嫌が悪くなる。実は鶏のもも肉には、チームSOLOにまつわる思い出があったのだ。

年越しを前にノルウェーから帰省したハン・シャンイエンの祖父は、孫に内緒でこっそりと見合いを用意していた。旧暦の大晦日、見合いの場所へ向かったハンと祖父だが、そこはなんとトン・ニエンの自宅で、しかも相手はニエンの従姉だった。ニエンも見合いの場に同席する中、ハンは見合い相手に対して失礼な態度をとり続ける。そこへ遅れて到着したハンの従弟ウー・バイが、ハンとニエンは恋人同士だと言い出し…。

すっかりトン・ニエンを気に入ったハン・シャンイエンの祖父は、春節の餃子作りに彼女を呼ぶ。ハン、デモ、ニエンの３人で食材を買って帰るが、デモとニエンの手際の悪さにしびれを切らしたハンが結局1人で餃子を作ることに。料理を待つ間、ニエンはハンの祖父に歌を披露しさらに打ち解ける。その後、食事の席でハンにネックレスを贈られ喜ぶものの、それは祖父が買ったものだった。ぎこちないながらも距離が縮まる２人。

ノルウェー遠征の直前、ハン・シャンイエンはトン・ニエンが歌を配信する音楽アプリのアカウントを作成し、直接のやり取りを試みる。互いのアカウントをフォローし合う仲となり、ニエンは有頂天に。一緒にノルウェー入りしたＫ＆ＫとＳＰだが、過去の出来事にこだわるハンは、ＳＰを引率するアイ・チンと打ち解けられない。ハンに罪悪感を抱くアイ・チンが何度も歩み寄ろうとするものの、ハンはかたくなに拒むのだった。

2月14日のハン・シャンイエンの誕生日を祝おうと思っていたアイ・チンだったが、ハンと再び衝突してしまいプレゼントは台無しに。代わりにシャオミーがケーキを持ってハンの部屋を訪れたことで、ハンのかたくなな心も少し和らいでいく。世界の強豪が集う大会が始まると、中国勢が勝ち進む中、シャオミーは初戦で敗退してしまう。一方、K＆Kのウー・バイは実力通りに勝ち上がり決勝戦で世界ランク2位の選手と対戦することに。

昔、ハン・シャンイエン自身もチームの仲間を捨てたとオウ・チアンに言われ、ハンは悔恨と古い仲間たちへの思いで胸がいっぱいになる。ノルウェーでの大会終了後、空港へ出迎えに来ていたトン・ニエンをハンは初めてＫ＆Ｋのクラブ基地に案内するが、ボスの“公認”の恋人がやって来たと選手たちは大騒ぎに。一方、Ｋ＆Ｋマネージャーのスー・チョンは、元恋人ソロとの間にできた娘シャオアイのわがままな態度に手を焼いていた。

スピード向上のためのソフトをハン・シャンイエンに渡しに来たトン・ニエンは、ハン、スー・チョン、シャオアイとともに遊園地へ行くことに。シャオアイと仲良くなったニエンは、シャオアイの計らいでハンとボートに乗りツーショットを撮ることに成功する。そのあとニエンはハンとＫ＆Ｋのクラブ基地へ行き、ソフトの調子を確かめるが、ビールに酔ってハンに迫ってしまう。一方、ＳＰではシャオミーをメンバーから外す話が出て…。

酔い潰れたトン・ニエンに困ったハン・シャンイエンは、ランメイに電話し口裏を合わせてニエンを自宅まで送ってもらう。翌朝、ランメイから自分の失態を聞かされたニエンは、ハンに完全に嫌われたと思い自ら“偽カップル”の解消を申し入れる。しかし、別れがあっさり決まると、ニエンは涙が止まらないのだった。一方、ハンもこれまで目にしたニエンの姿ばかり思い出していた。しだいにＫ＆Ｋの仕事にも影響が出始めて…。

義母に頼まれたネックレスをトン・ニエンにあげてしまったハン・シャンイエン。仕方なくネックレス代を義母に返すが、それですっかり金欠に。一方、ニエンはハンと別れたことで落ち込み、eスポーツ大会のテーマソング歌手のオーディションを忘れていた。ランメイに呼び出され会場へ行くと、ハンが審査員の1人として現れる。久々の再会に動揺を隠しきれない2人。最終選考でニエンに高評価が集まる中、ハンはテーマソングに彼女は合わないと反対する。

「天下は広いのに、私の居場所はどこにもない」――そうつぶやいて涙を流す池小苔（ち・しょうたい）。高夢非（こう・ぼうひ）は彼女を守るために、“力”を得なければならないと、痛切に感じていた。そしてそれは、蕭憶情（しょう・おくじょう）を倒し、自分が次期楼主の座に就くという暗い野望となって、彼の中で大きく育っていく…。

鎮南王府での一件の責任を問われ、第二領主の位を剥奪された高夢非（こう・ぼうひ）は、聴雪楼へと戻ることに。しかし、一見失態と思われた行動の裏には、野望達成へ向けた計算があった。一方、蕭憶情（しょう・おくじょう）は、野心を秘めた夢非と恋仲になることで、池小苔（ち・しょうたい）が道を誤らねばよいと気をもんでいたが…。

聴雪楼へ向けて撤退する一団を、刺客たちが襲う。南楚（なん・そ）たちは一丸となって蕭憶情（しょう・おくじょう）の馬車を守り、何とか事なきを得た。しかし、この奇襲を手引きしたのは高夢非（こう・ぼうひ）だったのだ。そんななか、紫陌（しはく）は、夢非が人目を盗んで、夜な夜な洛陽の町へ出ているという情報をつかみ…。

手を貸してくれる武林の各門派に要請し、今すぐに聴雪楼への攻撃を開始する――。高夢非（こう・ぼうひ）はついに決断を下した。自分自身は神兵閣から国色剣を奪い、夕影刀を持つ蕭憶情（しょう・おくじょう）と雌雄を決する心積もりである。しかし、池小苔（ち・しょうたい）は言う。「師兄を死なせられないわ」と。夢非の答えは…。

「聴雪楼が倒されるかもしれません」。蕭憶情（しょう・おくじょう）は悲痛な思いを胸に、亡き父に向けてつぶやいた。同じ頃、聴雪楼の山門の前では、高夢非（こう・ぼうひ）と池小苔（ち・しょうたい）の行く手を、黄泉（こう・せん）ら四大護法が命がけで阻んでいた。そしてもう１人、聴雪楼を目指して遥かな道のりを駆ける者が…。

高夢非（こう・ぼうひ）の思いを知りながら、それに応えなかったことを悔やむ池小苔（ち・しょうたい）。その一方で、彼女は自分の罪と向き合って生まれ変わることを、舒靖容（じょ・せいよう）と国色剣に誓うのだった。そんななか、大ケガを負った石明煙（せき・めいえん）は、蕭憶情（しょう・おくじょう）に襲われたと憎しみを露わにし…。

受け取った書状によって母の無事を知り、安堵する蕭憶情（しょう・おくじょう）。その書状の主・迦若（かじゃく）は、もうひとつ重要なことを書き送っていた。“南江（なんこう）の民を救ってほしい”――病も、高夢非（こう・ぼうひ）との戦いの傷も癒えぬまま、憶情は舒靖容（じょ・せいよう）に相談することなく、拝月教攻めを決断し…。

「行って。ここは私が引き受ける」――蕭憶情（しょう・おくじょう）を雪紋（せつもん）の救出へと向かわせ、秋護玉（しゅう・ごぎょく）と対峙する舒靖容（じょ・せいよう）。一方、憶情が山門まで来てみれば、南楚（なん・そ）たちによって助け出された母が、再び明河（めい・か）に奪い去られようとしていた。そして、南楚も血蠱の毒に侵され…。

舒靖容（じょ・せいよう）と迦若（かじゃく）は、沈沙谷の青冥（せいめい）と青嵐（せいらん）として対面を果たした。迦若は明河（めい・か）の目を盗み、靖容へ密命を伝えるのだった。あくる日、聖湖では靖容を生贄とする拝月教の儀式が執り行われようとしていた。同じ頃、月宮に攻め入った蕭憶情（しょう・おくじょう）は…。

「これが永遠の別れになりそうだ」――１つしかない月神花の花心を舒靖容（じょ・せいよう）に与えた蕭憶情（しょう・おくじょう）は、気を失ったままの彼女を見つめ、そうつぶやいた。やがて目覚めた靖容は、手の届かぬ所へと去った者たちと、２人のこれからについて思いを馳せるのだった。靖容と憶情は手をつなぎ、歩き始めるが…。

ふちゅう（ふちゅう）は花火に興じる容楽（ようらく）の笑顔をずっと見ていたいと思う。そして、容楽と夕食をともにして家族の温もりを初めて感じると、彼女との幸せな生活を選んで西啓（さいけい）とは縁を切ろうと決心する。一方、ふちゅうが尉（い）国討伐の支援に難色を示す西啓と密通していると疑い始めた北臨（ほくりん）帝は、無憂（むゆう）を南境から呼び戻し、尉国討伐を任せようと考える。150

再び黎（れい）王に封じられた無憂が都に戻って皇太子の動きを封じようと考えていた頃、同盟での約束を果たさぬ西啓にしびれを切らした北臨帝は、宸（しん）国と同盟を結ぼうと動き出していた。それを知った容斉（ようせい）は密使を通してふちゅうに宸国の鎮北（ちんほく）王を暗殺するよう伝えてくる。そんな中、ふちゅうはさりげなく容楽に清涼（せいりょう）湖に行くことを勧める。148

容楽は刺客に襲われた漁師をかばって刺されそうになるが、突如現れた無憂に救い出される。そこで漁師の正体が宸国の鎮北王だと知った彼女は、ふちゅうの策略に利用されたと気づく。そして、突然の再会に気まずい思いを味わいながらも、手に傷を負った無憂の手当てをする。その後、都に帰還した無憂は北臨帝にこの事件を報告する。151