病に伏せる皇帝を見舞う林池と陌軽塵。林池は漢方の知識で皇帝の回復に一役買う。だがその実、皇帝は重病を装い、皇子たちの忠誠心を試していたのだった。林池は両親を殺した黒幕が叡王だと知り、凌燕を再び呼び出す。叡王府から遠ざけようとする姉を振り切り、叡王を信じようとする凌燕だったが、叡王の挙動からついに本性を知ってしまい…。

凌燕の件を巡って陌軽塵と叡王がますます対立を深める中、宮廷では世継ぎの指名を兼ねた祭祀の準備が進められていた。皇帝は皇子たちの才覚を見定めるため、陌軽塵と叡王、静王の３人を呼び出す。一方、妹を失った悲しみと後悔に打ちひしがれる林池は叡王府に乗り込む。林池は叡王と対峙して真実を問いただし、凌燕への想いを確かめる。

林池を守るために叡王の要求をのむと決めた陌軽塵は、祭祀の日、自分が知覚のない魔物だと認める。皇帝は陌軽塵を牢に閉じ込め、後日刑を下すよう言い渡す。皇后も軟禁されたものの、叡王は皇后に厳罰を与えない皇帝に不満を覚える。林池や静王たちは何とか陌軽塵を脱獄させようとするが、陌軽塵はすでに覚悟を決めていた。

杜若の助けを借りて脱獄に成功した陌軽塵は、林池と山で落ち合い、荘塵が所有していた深山幽谷の家で隠れて暮らすことになる。叡王は静王と裘婉を捕らえて陌軽塵の居場所を問い詰めるが、静王は毅然とした態度で秘密を守る。深山幽谷で暮らす陌軽塵と林池は穏やかな日々を過ごすが、共に暮らす凌画が体調を崩してしまい…。

林へ苗を採りに行った林池が戻ってこず、心配する陌軽塵の元へ静王と裘婉たちが現れる。林池が叡王に捕らえられたと知り、陌軽塵は自分の命と引き換えに林池を助ける覚悟を決める。静王は陌軽塵の柩（ひつぎ）と共に叡王を訪ね、林池を解放しろと迫る。陌軽塵の死を聞かされた林池は悲嘆にくれるが、その手にはある物が握られていた。

叡王の悪事が暴かれ、ようやく平和な日常を取り戻した陌軽塵と林池。陌軽塵は叡王を憎む一方で、皇帝が自分の知覚について知っていたことに疑念を抱く。陌軽塵は皇后の前で皇帝を問いただし、元凶である予言について真相を確かめようとする。ついに全ての真実を悟った陌軽塵は、投獄されている叡王の元へ向かうのだった。

青年実業家のフオ・ヨウザーとバイオリニストのルオ・チェンイーは雨の日に出会い、交際を始める。チェンイーは惜しみなく愛を注いでくれるヨウザーからのプロポーズを受け入れるが、その矢先、２人は旅行先の北海道で雪崩事故に遭う。軽傷だったヨウザーは、チェンイーが顔に傷を負い、記憶を失ったと聞かされる。

悪夢にうなされ目覚めたチェンイーは、再び自室内で“10時にあの場所で”と書かれたメモとラベンダーを見つける。チェンイーはラベンダーを手がかりに“あの場所”へ向かおうとするが、自宅の出入り口はヨウザーによって施錠されていた。ヨウザーに内緒で出かけたチェンイーは、“あの場所”で謎の人物が来るのを待つ。

ヨウザーはチェンイーがバイオリン講師のチー・ファンを自宅に入れ、レッスンを受けているところを見て激怒する。２人は口論となるが、ヨウザーはチェンイーが記憶喪失になったことで、自身も傷ついているのだと打ち明ける。ヨウザーも苦しんでいることを知り、警戒心を解くチェンイー。２人は歩み寄ったはずだったが…。

チェンイーは医師のユー・ハンが“ラベンダーの人”ではないかと疑い、自宅に侵入する。結果、チェンイーは自身の記憶喪失についてユー・ハンに打ち明けることになる。一方、ヨウザーの妹・ヨウシーは兄とチェンイーの様子を不審に思い、ヨウザーの補佐役であるスン・レイに兄に近づくチャンスだとけしかける。

ヨウザーはチェンイーのマネージャー・アーチャオを、“あの場所”に呼び出す。チェンイーとの契約解消とレッスンの中止を言い渡すためだ。一方、過去の画像を見たチェンイーは、チー・ファンについてアーチャオに尋ねるが、彼は答えをはぐらかし、意味深長な言葉を放つ。心の準備ができてから真実を知れと…。

チェンイーに刺されたヨウザーは病院に運ばれ、緊急手術を受ける。チェンイーは真相を確かめるためにコーヒー店“ラベンダー”でチー・ファンと会う。チー・ファンはいらだつチェンイーを見て、物静かだった以前の彼女とは違うと言い、一方的に感情をぶつける。その様子は写真に撮られ、全てスン・レイに送られていた。

チェンイーはヨウシーからも以前とは別人のようだと言われ、兄をどう思っているのかと尋ねられる。一方、ヨウザーはチェンイーの尾行をやめさせるようスン・レイに指示する。これまで束縛してきたことを謝罪するヨウザーの言葉を受け入れ、前向きに生きようと決意するチェンイー。だがチー・ファンは彼女を諦めることができない。

チェンイーは重要なパーティーに出席するために、スン・レイに付き添われて準備をする。一方、ヨウザーはユー・ハンの診察室を訪ね、日本の病院に問い合わせてまでチェンイーのことを調査しているユー・ハンを牽制する。そんな中、パーティーが開催され、公の場に出たチェンイーは多くの人たちから注目を浴びるが…。

チェンイーのトラブルを映した動画が拡散される。スン・レイの配慮により身を隠すことになったヨウザーとチェンイーは、七彩学校を訪れる。その夜ついに、ヨウザーは隠していた真実の１つをチェンイーに打ち明けるのだった。一方、スン・レイは問題を起こした部下のディンに、ユー・ハンを見張るよう指示する。

ユー・ハンに会ったチェンイーは、本物のチェンイーかどうか徹底的に調べると聞かされる。ヨウザーは不安そうなチェンイーを見て、ある場所へと連れていく。その場所でギターを弾いたチェンイーは、断片的に子供の頃の記憶を思い出す。そんな中、ユー・ハンはチェンイーの髪の毛を使い、ＤＮＡ鑑定を行う。

チェンイーが記憶を失う前の思い出の品々を片づけながら、涙を流すヨウザー。チェンイーはユー・ハンとは特別な関係でないことをはっきりさせようとするが、彼を怒らせてしまう。一方、チェンイーのＤＮＡ鑑定に不可解な点があると感じたスン・レイは、ユー・ハンが資料を依頼したチェン医師に会いに行く。

かつてチー・ファンと暮らしていたという部屋を訪れたチェンイー。チー・ファンから聞く話、見せられる写真が、これまで知り得た過去とつじつまが合わないことに気づく。チー・ファンは何が何でもチェンイーとよりを戻そうと必死になる。そんな中、チェンイーの位置情報を監視していたヨウザーは、その部屋に乗り込み…。

欺かれていたことにショックを受けたチェンイーは、仕返しのために舞台に立ちたいとアーチャオに協力を仰ぐ。そんな中、チェンイーがチャリティーコンサート・七彩ナイトで復帰するという報道が出回り、ヨウザーは慌てて彼女を捜す。ヨウザーが自宅に戻ると、部屋からバイオリンを演奏する音が聞こえた。恐る恐るドアを開けると…。

七彩ナイトを目前に控え、ヨウザーは厄介な幹部社員のリー・エンを解雇したあと、役員たちを招集して社長職をスン・レイに譲ると宣言。そして記者会見で、チェンイーが記憶喪失により不安定な状態だと公表し、彼女の七彩ナイトへの参加を阻止しようとする。そんな中、ある娘を捜しているという日本からの来訪者があり…。

趙敏から得た解毒薬と黒玉断続膏で岱巌と梨亭のけがは快方に向かい、無忌は胸をなで下ろす。その頃、江湖では明教が各派を滅ぼしているとの噂が立ち、楊逍はこうした状況を覆すため六派との連携を提案し、三豊もこれに賛同。無忌は８月５日、教徒たちを蝴蝶谷に集め、明教と各派が手を携えて元を討つと宣明することにする。

蝴蝶谷に明教の教徒たちが続々と集結し、無忌は幼い頃に義兄弟の契りを結んだ朱元璋（しゅ・げんしょう）や徐達（じょ・たつ）らと再会。彼らから行方不明の武林の士が大都の万安寺に捕らわれていることを知る。８月５日、無忌は武林各派との連携と打倒元朝を宣明。教徒たちは大義を成すべく再び各地へと散り、無忌たちも武林の士を救出するため大都へ向かう。

楊逍らと再会を喜び合った光明右使・范遥（はん・よう）は、変わり果てた容姿と今に至る経緯を説明。謎の女・趙敏は汝陽（じょよう）王の娘で、汝陽王の目的は六派と明教を倒して中原を奪うことだという。無忌らは汝陽王府に捕らわれた仲間の救出方法を探るが、十香軟筋散とその解毒薬は玄冥二老（げんめいにろう）が持っており、どちらも無色無味で判別できないという。

しじゃくと無忌の関係に釘を刺した滅絶はしじゃくを峨嵋派の掌門に正式に任命。しじゃくはかたくなに辞退するものの、滅絶の命に背けずついにこれを承諾。その頃、范遥は鹿杖客（ろくじょうかく）から解毒薬を手に入れ、塔に捕らわれている各派の士たちに飲ませようとするが、誰もが怪しんで飲もうとしない。そこへ韓姫（かんき）の行方を追う趙敏の兄・王保保（おう・ほほ）がやってくる。

塔の上層で逃げ場を失った六派の士たちに対し、無忌は内力さえ回復していれば助けられると判断し塔から飛び降りるよう呼びかける。青書はしじゃくと共に飛び降りようとするが、しじゃくは滅絶を待つと言って拒否。しじゃくは何とか滅絶を説得して塔から飛び降りるが、邪教に助けられるのをよしとしない滅絶は手を差し伸べる無忌に掌打を放つ。

大都で峨嵋派の門徒たちと遭遇した無忌は、皆の表情が硬いのが気になり尾行する。敏君はしじゃくが大都に来たのは無忌と密会するためだと非難し、掌門の印である指輪を渡すよう迫る。そこへ滅絶に戦いを挑みに来た金花婆婆が現れ、滅絶の代わりにしじゃくが手合わせするもあえなく破れ、しじゃくの気骨が気に入った婆婆はしじゃくを連れ去っていく。

謝遜は、霊蛇島に来たのは自分が屠龍刀を貸す代わりに金花婆婆が無忌を捜すと約束したからだと言い、早く無忌を捜すよう詰め寄る。無忌は今すぐにでも名乗り出たかったが、趙敏は霊蛇島の謎を解くのが先決だと制止。その後、再び島に忍び込んだ無忌は婆婆が男に謝遜から刀を奪うよう命じるところを目撃。その男は紅梅山荘で会った武烈（ぶ・れつ）だった。

ペルシャ総教の使者から逃げ出した無忌たちは、阿離の案内で大きな天坑にたどり着く。無忌は謝遜に自らの正体を明かし、10年ぶりの再会に歓喜感涙。その頃、金花婆婆は小昭を木に縛りつけ、周りに積み上げた柴木に放火。そこへ無忌と趙敏がやってきて間一髪小昭を救い出すが、ペルシャ総教の使者と争いになり、趙敏が負傷する。

無事救出された金花婆婆は謝遜を陥れようとしたことを謝罪。小昭は自分が光明頂に潜入したのはけんこんだいないを手に入れるためだったと無忌に告白し、ペルシャの宝石の指輪を見せる。みんなが一息つく中、婆婆が四大護教法王の筆頭であることに趙敏が疑問を投げかけると、謝遜は婆婆がペルシャ出身で天女とみまごう美女だったと言う。

変装を解き美しさを取り戻した金花婆婆は小昭と共にペルシャへ戻ることを決意。婆婆に呼ばれて船に行った無忌は、ペルシャ人の衣装を着た小昭と対面し、別れの挨拶を交わす。小昭を見送ったあと、趙敏は無忌の想い人が自分だと聞いた話を持ち出し無忌に真相を確かめるが、それを聞いた謝遜は趙敏と無忌は水と油だと２人に釘を刺す。