司鳳が鴻濛熔炉（こうもうようろ）をすんでのところで支え、三界の滅亡は防がれるが、元朗の剣が司鳳の胸を突き刺す。らごうけいとは戦神、そしてせんきに姿を変えて司鳳を救おうとするが、司鳳は三界を守ってほしいと言い残して息絶える。司鳳との賭けに負けた柏麟帝君は修行の道へ。せんきは天帝に司鳳の命を助けるよう乞うが、天帝は全ては運命次第だと告げる。

小玉（しょうぎょく）の話から千端閣（せんたんかく）の花魁・如月（じょげつ）の死に対し趙瀾之は疑念を抱く。遠安は趙瀾之と共に“鬼市”に行き手がかりを探すことにする。そこで暴れ馬から救ってくれた奴隷の男を買うが逃げられてしまう。郁（いく）王府の明慧（めいけい）郡主は大司徒の息子である裴賢雅（はい・けんが）と婚約する。郡主は賢雅に天珠について尋ねるがはぐらかされる。趙瀾之が手がかりを元に香舗に行くと旧友の姜忍（きょう・にん）が仮面の男を捕らえてくれた。

遠安は奴隷の男を家に連れて帰る。その姿を見た小玉は如月の部屋にいた黒い影はその男だと話す。趙瀾之は姜忍から裴賢雅がアヘン中毒だったことを知る。遠安が香篆を持って調べに行こうとすると奴隷の男が千端閣の内部に案内する。同じ頃、千端閣に客として潜入した趙瀾之は女将にアヘンを置いてある倉庫まで案内させるが、女将の口から密売の元締めが裴賢雅だと告げられる。

千端閣の女将の証言により小玉のぬれ衣が晴れる。全ての証拠は裴賢雅が元締めで如月の殺人者であることを示唆していたが、明慧郡主の証言により無罪放免となる。明慧郡主の証言に感激した賢雅は隠し持っていた天珠を郡主に贈る。遠安は奴隷の男を“穆楽”（ぼく・らく）と名付け馬の世話をさせる。賢雅と明慧郡主の婚礼の日、遠安は穆楽を連れて参加すると趙瀾之もそこに来ていた。

裴賢雅と明慧郡主の婚礼が始まると、姜忍が賢雅に向けて刀を抜いた。趙瀾之はこれまでの状況と腕の入れ墨から本当の元締めが姜忍であることを突きとめる。姜忍は明慧郡主を気絶させると、自ら趙瀾之に挑み刺される。婚礼用の赤いロウソクにアヘンが入っていたせいでその場にいた参列者は幻覚に襲われ殺されそうになるが、いち早く気づいた穆楽のおかげで一命を取り留める。

遠安の弟・遠寧（えんねい）は穆楽の存在が目障りだった。そこで穆楽にのぞきの罪を着せて屋敷から追い出す。穆楽は遠安の態度に失望して町を徘徊する。闇の市を開催する羅天洞（らてんどう）に天珠を売りたいというせつ・かんが現れる。天珠を手に入れたい明慧郡主はせつ・かんが交換条件に出した武（ぶ）后が所有する「蕉下図」（しょうかず）を手に入れなければならなくなる。穆楽は町で泥古（でいこ）というコソ泥と知り合いになる。

武后に仕える宦官・李成（り・せい）は「蕉下図」が紛失していることに気づき、趙瀾之に調査を依頼する。休暇で宮中を出た曹毅（そう・き）という宦官が関与していると睨んだ趙瀾之は秘密裏に彼を捜して歩くが、既に死んでいた。被疑者として捕まっていた穆楽を遠安が連れ出し、趙瀾之と共に泥古に会いに行く。穆楽が無罪であることは判明したが、蕉下図の行方は不明なままだった…。

弟を助けるために遠安は穆楽と共に羅天洞に来たが、宝物がすり替えられ、捕まってしまう。その頃、趙瀾之も羅天洞に蕉下図の手がかりを求めてやって来るが捕まってしまう。明慧郡主のワナにはまった4人は危うく水中の怪魚の餌になりかけるが趙瀾之以外は何とか逃げ出す。明慧郡主は蕉下図をせつ・かんに渡して天珠を手に入れようとするが、せつ・かんから今度は絵を宮中に戻すように言われる。

武后の誕生日の夜、趙瀾之は取り戻した「蕉下図」を宮中に届ける。宦官の李成は絵に違和感を覚えつつも女官の要求に絵を渡してしまう。武后は「蕉下図」を見ながら若い頃のせつ・かんとの思い出に浸っていると、ロウソクの火が消え暗闇の中「蕉下図」が全く違う絵に変化するのを見て激怒するのだった。遠安は穆楽の体の傷が治っていることを不思議に思い、穆楽を追求するのだが…。

明慧郡主は混乱の中、せつ・かんが隠していた天珠を手に入れる。武后は蕉下図に隠された南方十三県の難民に対する不手際の責任を追及し、難民の実体を上奏していた遠安の父を昇進させ、遠安のことも賞賛する。趙瀾之が遠安に盆栽を贈ると、遠安はそのお礼に生け花を贈ろうと鈴鐺花房（りんとうかぼう）に行く。穆楽が遠安を待っていると、南景（なんけい）王府の水月（すいげつ）が穆楽の気を引こうと言いがかりをつけるのだった。

洛陽の町で深夜に若い娘を殺して皮を剥ぐ事件が起こる。趙瀾之は部下を動員して捜査を始めるが手がかりがなかった。水月は遠安を訪ねて親しくなっていく。その頃、明慧郡主は見舞いを口実に南景王府を訪れて天珠を捜すが、水月の部屋で丸薬を見つけてそれを密かに持ち帰る。水月は遠安から穆楽を引き離すために穆楽を挑発してある賭けを持ちかけた。

穆楽は南景王府に連れて来られるが、水月ともみ合いになった時にその顔が歪んでいるのを見てしまう。遠安は郭将軍家の花見の宴で明慧郡主に挑発されて大勢の客の前で恥じをかくことに。趙瀾之にも誤解されたままその場を後にする。宴の帰り道に明慧郡主の馬車に外套を着た者が乗り込む。水月は同じ奴隷商人に捕まっていた小可だと穆楽に告白し、穆楽の名は“托托（たくたく）”だと話すのだった。

遠安（えんあん）は鈴鐺花房（りんとうかぼう）で穆楽（ぼく・らく）を見かけて、そのまま後を付けていく。南景（なんけい）王府で小可（しょうか）に毒薬を飲まされるが一命を取り留める。小可が被害者だったことを知った遠安は穆楽と3人で本当の水月（すいげつ）を捜しに行くことにする。無縁墓地で水月を発見するが仕掛けられた罠にかかり、穆楽と遠安は気絶させられ、小可は皮を取られてしまう。その頃、無縁墓地に着いた趙瀾之（ちょう・らんし）は水月の隠れ家を見つける。

牢から脱出した遠安は小可と穆楽を逃がそうとするが、2人の固い決意の前に真相を暴くことにする。南景王府に弔問に訪れた趙瀾之は変装した遠安を見つけて話をするが、小可と穆楽を渡すように迫る。明慧（めいけい）郡主は水月が持つ天珠（てんじゅ）を手に入れるために、斉安（せいあん）郡主の輿入れの付き人として水月を推薦する。斉安郡主は退屈しのぎに水月を自分の輿に呼び入れて2人で話をするのだが…。

殺人皮剥ぎ事件は解決し、趙瀾之と遠安は明慧郡主が何か関わっているのではないかと思い始める。姜忍（きょう・にん）の墓を訪れた趙瀾之はそこで明慧郡主と言い合いになり、羅天洞（らてんどう）の覆面の女が郡主ではないかと疑う。とある村で、母と2人で暮らしていた歓哥（かんか）は貧しい暮らしを嫌って洛陽に自分の父親を捜しに行くと手紙を残して家出する。遠安の父は朝廷で孤立無援の立場に悩んでいた。

父を捜しに来た歓哥は洛陽の町で当てもなくさまよう。朝見をした帰り道、葉甫成（よう・ふせい）は馬車を止めた歓哥がかつて思いを寄せた小秀（しょうしゅう）の息子と知り、自分の息子であると信じて家に連れ帰る。郭（かく）将軍府では娘の婚礼の準備をしている最中、明慧郡主が訪れる。明慧郡主は叔母である郭夫人に天珠を見たことがないか尋ねるのだった。

葉家の長子となった歓哥は家中を巻き込んで騒動を起こす。歓哥の肩を持つ父に不満を抱いた遠安は、趙瀾之に歓哥の母親が宮中で人形師をしていた頃の事を調べてもらう。趙瀾之は当時の小秀を知る古参の人形師から小秀と２人の青年の恋愛の顛末を聞かされ、歓哥が葉家の長子ではなく郭将軍の息子である可能性が高いことを遠安に告げる。趙瀾之は郭将軍に息子の存在を告げることにする。

郭将軍は趙瀾之と共に遠安たちがいる料亭に来て、歓哥が自分の息子であると確信する。歓哥を引き取ることにした郭将軍は夫人に事情を説明するまで歓哥の世話を趙瀾之に頼む。料亭の帰り道、歓哥の横暴さに耐えかねた趙瀾之は歓哥を木に吊して反省を促そうとすると突然の落雷で歓哥は死んでしまう。趙瀾之は過失の罪に問われ牢に入れられる。遠安は趙瀾之を助けるために動き出すのだった。

歓哥の死を知った小秀は明慧郡主から息子を殺した人間がもう１人いると言われ、仇討ちを誓う。趙瀾之を助ける方法が見つからない遠安は塞ぎ込み食事も咽を通らない。心配した張（ちょう）さんは家の前に新しくできた露店で美しい人形を買って遠安を慰めることにする。人形を気に入った遠安はそれを枕元に置いて眠りに就くと、幼い頃に亡くなった母が枕元に現れ自分は殺されたと訴えるのだった。

穆楽が天枢（てんすう）から指示された通り三日三晩火を焚いて遠安の面倒を見ると、体内に蠱（こ）術によって仕込まれていた虫が出て、遠安は回復する。天枢は小秀が人形を使って仕込んだと考え、遠安や穆楽と共に歓哥の死体をもう一度調べることにする。３人の様子を見ていた小秀は、歓哥の死が何者かによって事故死に偽装された事を知り、３人と一緒に郭将軍府に行くことにする。

小秀によって蠱術をかけられた郭将軍は、実の娘を人質に歓哥の死の謎を追求した。明慧郡主が犯人と思い込んだ郭夫人は娘を助けるよう懇願しながら全ての罪を被り自害する。小秀が嘘をついた明慧郡主に詰め寄ると側にいた霍陽（かく・よう）に殺される。死んだ小秀を抱え郭将軍は悲しみのあまり蛾に変身してその場にいた人々に襲いかかるのだった。穆楽は天枢の助言により巨大蛾に挑む。

遠安から趙瀾之の盗賊討伐軍に入るよう命令された穆楽は、軍の中で頭角を現す。目立つ穆楽が気に入らない副都尉（とい）の李豹（り・ひょう）は、兄で副指揮官の李龍（り・りゅう）と共に穆楽を陥れる画策をする。五つ目の天珠を捜して洛陽の富豪である張（ちょう）府に忍び込んだ明慧郡主は、天珠が盗賊の賀準（が・じゅん）の手に渡るのを目の当たりにして奪おうと斬りかかるが、趙瀾之が踏み込んできて賀準と共に逃げることになり…。

気を失った明慧郡主を介抱した趙瀾之は心を入れ替えるよう郡主を諭すが拒絶される。盗賊の賀準が捕まり、趙瀾之は賀準を囮に使うことにする。趙瀾之と穆楽を陥れたい李兄弟は穆楽を使って賀準を毒殺しようとする。穆楽は賀準が一緒に飲んだ男と知り話をするが、届けた食事が毒入りで李兄弟が自分を陥れようとしたことを知ると、全てに耐えかねた穆楽は賀準と共に逃亡するのだった。

遠安は趙瀾之から穆楽が軍営から逃亡し、盗賊と共に官軍と戦った事を知る。その時に穆楽の体に鱗（うろこ）が生えて変身したことを聞くが、遠安は穆楽が妖怪とは思えなかった。趙瀾之の夜襲について行った遠安は盗賊と共に迎え撃った穆楽に会う。遠安の煮え切らない態度に失望した穆楽は戻ることを拒絶して立ち去る。明慧郡主は賀準から天珠を奪うために兵糧の輸送を名目に趙瀾之の軍営に現れる。

趙瀾之（ちょう・らんし）は賀準（が・じゅん）を捕らえるために洞窟へ行くが逆に拘束される。明慧（めいけい）は天珠（てんじゅ）を条件に賀準から結婚するよう求められるが拒絶して牢に入れられる。明慧が天珠を回収する理由を趙瀾之に話していると遠安（えんあん）が応援を連れて到着し盗賊討伐が始まる。抵抗する賀準が明慧を道連れにするために放った毒ひょうが趙瀾之に当たる。討伐を終えて兵営に戻ると、そこは盗賊の奇襲を受けていたのだった。

穆楽（ぼく・らく）は引き続き趙瀾之を狙うが天枢（てんすう）の助言により動いた遠安に勝てず、結局3回とも失敗に終わる。趙瀾之は密かに仕掛けた罠を中止させるが、それを見ていた白い影に気づいた明慧が誤って罠を発動させてしまう。遠安を守るために山から滑り落ちた巨石に当たり穆楽は瀕死の重傷を負う。趙瀾之は明慧を取り調べようとするが国師に阻止される。明慧の失態に激怒した国師は殺そうとするが…。

霍都（かくと）山の盗賊討伐が成功裏に終わり、趙瀾之は武后から報奨を受ける。趙瀾之は国師の関与を武（ぶ）后に報告するが捜査は許可されなかった。趙瀾之は武后から下賜された花を届けに葉府に行くが、遠安と口論になってしまう。天枢の正体が気になった趙瀾之が過去の手配書を確認するとその似顔絵は正しく天枢だった。国師は高宗の病の原因を慈恩寺の事件と結びつけ天枢を追いつめるのだった。

趙瀾之が葉府の捜索は何の収穫もなかったことを武后に報告すると、明慧が現れて遠安が天枢の行き先を知っていると報告する。遠安の取り調べの許可をもらった明慧は遠安を刑部に連れて行き拷問にかけようとする。各地を訪ねていた穆楽は遠安逮捕の布告と天枢の手配書を見つけて驚き、遠安を助けるために天枢を捜しに行く。趙瀾之は遠安を助けるために武后に嘆願するのだが…。

天橋（てんきょう）の元に連れてこられた遠安は、国師から天枢の居場所を言うように迫られる。家族も捕らえられ、危機迫る時に穆楽が天枢を連れて現れる。宮中では高宗が使う薬に幻覚の原因があることが判明し、武后は趙瀾之を伴い国師を訪ねることにする。天橋は天枢が所持する残り2つの天珠を手に入れるために慈恩寺（じおんじ）惨殺事件の真相を話し始める。天橋の話を武后も聞き、天橋と対決することになる。

天橋が成敗されて、明慧が武后の配下だったことが明らかになる。九星天珠も全て回収された。天枢は新しい国師に任命され、天珠の謎を解くよう命令される。遠安と趙瀾之も仲直りするが、戻った穆楽を前にして関係は進まない。武后は明慧と遠安にそれぞれ褒美として願いを叶える約束をする。遠安は盗賊となり罪を背負った穆楽の自由を嘆願する。明慧は趙瀾之が欲しいと願うのだった。