善堂を開いてまもなく、かびの生えた米を食べた幼子が亡くなった。災民たちが李（り）府に押し寄せ、綿入りの冬着に砂が混じっていることも分かり、姜保寧は真相究明を約束する。一方、軍費が届かないことに業を煮やした李謙は、金宵（きんしょう）に出納係である蔡霜（さいそう）の素性を調べさせる。金宵は部下から“やり手の女子が闇銭荘（せんそう）を営んでいる”という情報を仕入れるが…。

姜保寧が民を欺き私腹を肥やしているため弾劾するべきだと上奏された趙翌。姜保寧に嫉妬する韓同心は、孫娘を守ろうとする太皇太后に対し暴言を吐き、太皇太后は怒りのあまり病床に伏せてしまう。悪評を流された姜保寧は李謙の情報をもとに、黒幕の正体を探るために一計を案じる。姜保寧たちの狙い通り、蔡霜のもとへとたどり着くも、すぐさま逃げられてしまい…。

李麟（りりん）と高伏玉（こうふくぎょく）は高妙容（こうみょうよう）の罪をかぶり、片や李府を去り、片や流罪となった。高妙容のために2人が犠牲になったことに気づいている李謙は、彼女から真実を聞こうとするが、高妙容は姜保寧を妻に選んだ李謙を責める。そんな中、永慶（えいけい）国の斥候を追う李冬至は、思勤（しきん）から指輪を渡され、慶安の死を伝えられる。裏切られていなかったことを知った李冬至は涙に沈む。

姜保寧が護身術を身につけられるよう、李謙は彼女に毎朝武術の稽古を課すと言い出した。しかし、姜保寧は武術の稽古以前に体力不足でついていけず、早起きも苦手なため、監視の目を逃れて怠けようと頭をひねってばかりいる。あの手この手を繰り出す彼女の姿を見るに見かねた李謙が菓子で機嫌を取ると、意外にも素直に稽古をしようとする姜保寧だったが…。

李謙は、父である李長青（りちょうせい）から夫婦の正しいあり方について説かれるが、思いやりと尊重が大切だと反論する。そんな中、武器職人たちと新しい武器を作ることに明け暮れていた姜保寧。無理を押して董氏商行の行事に参加するが、睡魔にはかなわず、部屋を取ってもらって眠ることに。強すぎる香の匂いで目を覚ますと、いつの間にか蔡霜が侵入していて…。

悪事が明らかになった高妙容は、李家を去ろうとしていたところを蔡霜に襲われてしまう。傷ついた高妙容を見つけた李麟は、彼女を守ることを誓う。一方、慕安（ぼあん）国への侵攻を計画する永慶（えいけい）国の王・慶泰（けいたい）の前に、死んだはずの慶安が現れる。慶泰率いる永慶軍が挙兵し、慕安国へ攻め入る中、李冬至は慶安と再会するが、彼は刀を手に襲いかかってきて…。

持ち場を離れて南岷（なんびん）へ帰った趙嘯だったが、父親の死に際には間に合わず、遺体を前に泣き崩れる。己を救いに来た李冬至を殺しかける慶安だが、彼女に贈った指輪を目にした途端2人の思い出がよみがえり、心の断片を取り戻す。一方、病床に伏す趙翌から聖旨（せいし）が届き、死後を憂うばかりの内容に腹を立てた姜保寧は、勤王の詔書を偽造して援軍を呼ぶことに。

韓同心は一緒に皇宮から逃げようと趙翌に促すが、趙翌は最後まで皇帝として戦う道を選び、韓同心が医者を呼びに行った間に駆けつけた姜保寧の腕の中で息を引き取った。それを見た韓同心は姜保寧に憎悪の念を抱きながらも、自らが助かるために皇宮を離れる。町へ落ち延びた韓同心を助けたのは、李家を離れて医術で人助けをしている高妙容だった。

第一皇子の趙璽（ちょうじ）が慕安国の新たな皇帝に即位した。姜保寧は監国（かんこく）公主となり、李謙らが昇格を果たす一方、雲林（うんりん）関を離れたことで永慶軍の侵攻を招いた趙嘯は処罰されてしまう。李謙は事前に何の相談もなく都へ発った姜保寧に腹を立てていた。一方、善堂で慶安の世話を焼く李冬至は、まるで赤子のような彼を何とか元の状態に戻そうと模索する。

都での仕事を終えた姜保寧と李謙は秉（へい）州に戻る支度をする。「神鬼（しんき）兵器図」の図面から姜保寧が作った兵器は未完成のままだった。そんな中、実の子を玉座に座らせたい韓同心は、朝廷での影響力を保つために勤政（きんせい）殿へ向かうも、太皇太后によって牽制される。しかし、自分が置かれた状況に納得しない韓同心は、姜保寧に恨みを持つ高妙容を皇宮に呼んで仕えさせていた。

手柄を立てて城主に認められたい其官達（きかん・たつ）は、自分の手下が発見した身元不明の変死体を刺客だと強弁し、事件の幕引きを図る。兄の書いた筋書きに乗ることで、司妍（し・げん）を救おうという策略を秘め、これに賛同する其官儀（きかん・ぎ）。一方、自分の存在が其官儀の命を危うくしていると知った司妍は、彼と距離を置くことを決意し…。

夫人たちが被る帽子を調達する係に、司妍（し・げん）が任命された。それを知った桃桃（とうとう）は、司妍の邪魔をしようと画策する。そんななか、４人の少主と童（どう）――閔童蕊（びん・どうずい）、そして司妍が酒楼に顔をそろえた。和気あいあいとした雰囲気で酒を飲みながら遊びに興じる５人を尻目に、司妍はあることを確かめようと動き出す…。

ズルをしてでも、いい成績をあげるつもりの其官修（きかん・しゅう）。若城主の地位を確実なものにしたい其官達（きかん・たつ）。其官儀（きかん・ぎ）と閔童蕊（びん・どうずい）の縁談を進めたい第一夫人――それぞれの思惑が交錯するなか、狩猟大会が始まろうとしていた。その直前、其官達のもとに、謎の花魁・月歌（げつか）にまつわる情報が…。

「クエスト完了だ」というジャックの言葉を聞いても、司妍（し・げん）に喜びはなかった。其官儀（きかん・ぎ）が命を落としてしまっては、自分が現実の世界で目覚めたとしても、何の意味もないと語る司妍。彼女はジャックに懇願し、ゲームの中へと戻るのだった。其官儀の死という“バッドエンド”を回避するため、司妍は狩猟大会のクエストに再び挑むのだが…。

其官修（きかん・しゅう）との婚約が解消となり、其官儀（きかん・ぎ）と穏やかに時を過ごす司妍（し・げん）。ただ、彼女には気がかりなことが。１ヶ月前に狩猟大会が終わってからというもの、ジャックが姿を見せないのだ。一方、其官修と協力して一連の事件を調査していた其官儀は、月歌（げつか）の正体について確信めいた考えを抱いていた…。

総大将の其官達（きかん・たつ）を補佐する副将として、前線へと赴いた其官儀（きかん・ぎ）。しかし、紫荊関（しけいかん）に立てこもる北淵（ほくえん）軍を強襲すべきか、補給を待つべきかで２人は対立してしまうのだった。しかも、兵糧を輸送する船が転覆し、食糧庫が火事に。兵糧不足を解消するため、司妍（し・げん）が思いついた策とは…。

其官達（きかん・たつ）の身代わりとして、其官儀（きかん・ぎ）は北淵（ほくえん）軍の人質となった。北淵王を罵り、水牢に入れられる其官儀。だがそれは、彼の狙いどおりのこと。其官儀は、かつて其官騰（きかん・とう）が見つけたという水牢につながる抜け道を調べようとしていたのだ。一方、司妍（し・げん）は其官儀を助けるために北淵へ行くことを決意し…。

北淵（ほくえん）の兵に成りすまして水牢へとたどり着いた司妍（し・げん）。鎖で縛られ、傷だらけで意識を失っている其官儀（きかん・ぎ）を見て、彼女は思わず涙を流すのだった。そこへ閔童蕊（びん・どうずい）が姿を現す。紫荊関（しけいかん）から無事脱出するためには、閔童蕊と力を合わせなければならない。しかし、２人が素直に手を結べるはずもなく…。

またもやクエストを１つクリアして、昇級した司妍（し・げん）。ところが、あの“眼鏡ちゃん”――閔童蕊（びん・どうずい）に仕えるよう命じられてしまうのだった。一方、阮（げん）司庫を尋問した其官儀（きかん・ぎ）と其官修（きかん・しゅう）は、事件の黒幕が閔（びん）将軍ではないかという疑いを抱く。２人は確かな証拠を集めようと動き出すが…。

意識を取り戻した小李子（しょうりし）――ジャックが最初に目にしたのは、閔童蕊（びん・どうずい）の姿だった。彼女は、司妍（し・げん）と其官儀（きかん・ぎ）を引き裂くために手を組まないかと持ちかける。その夜、珍宝齋（ちんほうさい）の店主が殺されるという事件が。怪しい男を追う其官儀たち。その血痕と足跡は、東籬（とうり）府へと向かっていた…。

其官儀（きかん・ぎ）と閔童蕊（びん・どうずい）の婚礼――花嫁役として、その予行演習をやらされている司妍（し・げん）の心は穏やかではなかった。もちろん、閔童蕊への想いを捨てられない其官達（きかん・たつ）もまた、平気でいられるはずはない。ついに迎えた婚礼の日。密かな決意を胸に、其官達が、そしてもう１人の人物が行動を起こす…。

司妍（し・げん）に最後の言葉を告げるジャック。しかし、その声も姿も、彼女にはとらえることはできなかった。そしてジャックは、其官儀（きかん・ぎ）の前に姿を現す。この世界も自分という存在も人の手によって創られた幻であること。そして司妍が、この世界に存在している理由。――ジャックの口から“真実”を知らされた其官儀は…。

四大織り元の各工房が休業し、丁栄（ていえい）は、妻の巧児（こうじ）に沈翠喜（しんすいき）を説得させろと李照（りしょう）から命じられる。丁栄から頼まれた巧児は身重の体でありながら任（じん）家の屋敷の前に跪（ひざまず）く。翠喜たちは急いで巧児のもとへと駆けつけるが、彼女は倒れてしまう。翠喜は丁栄に、技術の提供を迫らないと書面で約束するなら商売を再開させると李照に伝えるよう告げるが…。

翠喜は林舒芳（りんじょほう）から、任如風（じんじょふう）を好きになり始めていると聞く。そこへ書硯（しょけん）と書墨（しょぼく）がやって来て、魏良弓（ぎりょうきゅう）が李照とともに織造（しょくぞう）局へ入って行ったと報告する。その頃、良弓は李照に、任家から彼らの生きる糧であるこくしの技術を取り上げないでほしいと伝えていた。腹を立てた李照は、良弓が翠喜と男女の仲であるという噂（うわさ）を流そうと考える。

舒芳が如風の求婚に応じたのを受け、翠喜は嫁荷を準備する。縁談は一気に進むかと思われたが、良弓と曽宝琴（そほうきん）が行動をともにしていたことを如風が翠喜に告発し、良弓をかばう舒芳と任家を思う如風とで言い争いになる。如風の言葉を反芻した翠喜は、良弓との関係を問い詰めるべく宝琴のもとへ。宝琴は良弓を任家に送り込んだことを認めて…。

山塘（さんとう）街の屋敷を訪れていた李照は、門前で待っていた丁栄に、翠喜がいつ外出し誰と会ったかを逐一報告するよう命じる。一方、床に臥していた良弓は、宝琴の誕辰（たんしん）祝いの品にしようと人形を彫っていた。しかし、その人形はいつの間にか翠喜をかたどっていて…。人形の顔を改めて見直した良弓は、自分の翠喜への想いに気づくのだった。

再会を果たした翠喜と良弓は互いの想いを確かめ合い、残りの人生をともに過ごそうと誓い合う。その後、宝琴と語り合った翠喜は、良弓の生い立ちと生母の過酷な人生を知り、女の世知辛さに思いを致すのだった。任家を見張っていた丁栄は、翠喜が良弓に会いに行ったところを目撃する。李照への報告をためらう丁栄だったが…。

女将（おかみ）と教育係の禁断の恋物語『繍荷包（しゅうかほう）』が蘇州（そしゅう）じゅうに広まる中、李照が宝琴の屋敷にやって来る。良弓への見舞いという名目だったが、探りに来たのは明らかだった。宝琴は「師の身を案じた秀山（しゅうざん）が呼び戻しに来た」と嘘（うそ）をつく。一方、ただでさえ生糸の値が上がらず不満を抱いていた糸卸は、噂の真相を尋ねるため組合へやって来るが…。

翠喜のせいで巧児が命を落としたと考えた丁栄は織造局へ行き、李照のために翠喜と清越坊（せいえつぼう）を潰すと宣言する。一方、舒芳は翠喜をかばったことで、如風との婚約を破棄することになってしまう。如風は街で丁栄を見つけると、事の発端である彼を叩きのめす。そんな中、李照と会った宝琴は、悪事から手を引くよう彼にさりげなく警告するが…。

李照は貯蔵していた生糸を丁栄に見せ、生糸の取引を行うよう命じる。李照に逆らえない丁栄は、海禁令に背けば死罪だと知りながらも引き受けるしかなかった。何度か取引を成功させるが、そのうち任家が見回らせた官兵に見つかってしまう。取引に李照が関わっていると見抜いた曹文彬（そうぶんひん）は、その証拠を集めるよう部下に命じるが…。