韓国ドラマ：『ロビイスト』完全攻略ガイド〜愛と復讐のセレナーデ
特定の企業、団体、国家の利益のために、政府の政策に影響を及ぼす活動をロビー活動と言い、それを行う人物をロビイストと言います。ロビイストはリサーチ、交渉の他、政策を実現させるまでを目的をしています。現在、多くの国や企業がロビイストを雇い、アメリカでは3万人を越えるロビイストが活動していると言われています。
ある日突然、海辺の町が前線地域に
海辺の町に、ソウルからジュホという少年が転校してきました。都会からやってきた少年は皆の目を引きつけ、ジュホは間もなく、ソヨンと友人になります。ソヨンの父はタクシーの運転手をしていて、韓国軍のではない潜水艦をたまたま目撃してしまいます。すぐに警察に通報すると素速く韓国軍が動き、たちまち小さな町は前線地域となりました。しかし民間人であるタクシー運転手が通報したという事実は、軍によって闇に葬られます。
一発の銃声が、運命を変えた
国籍不明の潜水艦の乗組員がどこかに隠れているのではないかと、軍は捜索を開始しました。ジュホの父も軍人のため、ジュホに留守宅を頼むと言い残し、捜索に参加して行きました。ジュホは今、何が起きているのかを理解できず、妹のスジと小川に遊びに行きました。すると銃突然、銃声が響き渡ります。近くに隠れていた乗組員たちが発見され、軍との間で銃撃戦が開始されたのでした。そしてジュホの父は二度と家に戻りませんでした。
アメリカに渡った、それぞれの兄弟
父を亡くしたジュホとスジは、孤児となってしまいました。ようやくアメリカに住む叔母が、2人を養子に迎えると言ってきました。一方、ソヨンの父は報奨金はもらえず、自分が通報したために何人もの命が失われたことに、自責の念を抱くようになります。人々の悪意に満ちたウワサや視線に耐えきれず、移民を決意。遠洋漁業の仕事で知り合った人の誘いで、NYに向かいます。一家は見知らぬ土地での新たな生活に希望を託していました。
詐欺や虐待、絶望の淵からの脱出
NYに到着し、ソヨンの父は騙されたことに気付きます。しかし韓国人たちに助けられ、なんとか生活の基盤を築いていきます。一方、ジュホとスジは養子になったものの、叔母の夫の虐待に、悩まされ続けていました。とうとうスジがレイプされそうになり、ジュホはスジを連れて逃亡。生きていくため、ジュホは危険な仕事もするようになり、ある中年女性と出会います。一方ソヨンは父の遺志を継ぎ、バス運転手になり、事業拡大を狙っていました。
メガヒット・ドラマ『朱蒙』の撮影後に、ソン・イルグクが選んだのがこのドラマ。時代劇で人気を博してきた彼が出演するとあって、「ロビイスト」には韓国ドラマの制作費としては異例の120憶ウォンが投入されました。ニューヨークやキルギスタンでロケを敢行、96年に起きた北朝鮮の潜水艦座礁事件を彷彿とさせる事件を冒頭に織り込むなど、衝撃的で息をもつかせぬストーリーが展開されます。鎧ではなく、スーツやタキシード姿のソン・イルグクは必見！
チャン・ジニョンが演じるマリアは、90年代に韓国を騒がせたリンダ・キムがモデルになっていると言われています。彼女はクラブ歌手から武器ブローカーに転身したロビイストで、何人もの政・官・財の実力者たちと“不適切な”関係を持っていたと言われています。96年に彼女に数千憶ウォンの武器取引を巡る疑惑が持ち上がり、それを裏付ける国防長官と彼女が交わしたラブレターが発覚。当時、国中を揺るがすスキャンダルとなりました。
マリアにはもう一人モデルがいます。移民ながら運送業で成功した実業家ピーター・キムという人物。彼は首都ワシントンでバスの運転手をしたのを皮切りに、自力で運送業を開拓していきました。『ロビイスト』のアメリカ・ロケではバスを提供した他、スタッフやキャストをパーティーに招待し、撮影の苦労を労いました。特にチャン・ジニョンは、バスの運転からアメリカ生活、英会話についてまで細かなアドバイスをもらったそうです。
このドラマの脚本を担当したチェ・ワンギュは、『オールイン』『朱蒙』を手がけてきました。韓国では高い視聴率を獲得できる脚本家は、俳優たちと並ぶスター的存在。ソン・イルグクの魅力を知り抜いたスター・ライターだけに、彼が生み出すストーリーには放映前から期待が集まりました。今回のロビイストは特殊な職業だけに、本物の武器ロビイストたちの体験や意見を取り入るなど準備を整え、チュ・チャノクと共同で執筆を行いました。
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