韓国ドラマ 『天下無敵イ・ピョンガン』完全攻略ガイド〜現世は前世の第2ラウンド?
1400年前、1人の将軍が戦場にも飛び込み、雄々しくも壮絶な死を遂げました。実はこのオンダル将軍は一度は戦場から逃げ出したのですが、ピョンガン姫に剣と涙で脅されイヤイヤ戻ったのでした。そんな将軍の悪夢を現代の御曹司オンダルが見てしまいます。彼はたった今、留学先から帰国し家路を急いでいました。オンダルの車の前に、一台のスクーターが踊り出てきます。オンダルの見た夢は、正に現実になろうとしていました。
スクーターに乗っていたのは、シャインローズ・リゾート場で働くイ・ピョンガン。シャインローズはオンダルの父が経営するリゾートです。彼女は仕事を抜けだし自宅に急ぐ真っ最中でした。オンダルは小さなスクーターを面白がって、何度も追い上げました。危険を感じたピョンガンは、オンダルのスポーツカーをやり過ごします。
やり過ごしたスポーツカーは、少し先で怪しげな車に囲まれて停車しました。さっき自分を追い上げたヤツが引きずり出され殴られる横を、ピョンガンはざまあみろとばかりに通りすぎました。オンダルは訳も分からずにボコボコにされ、身ぐるみをはがされ気を失ってしまいます。オンダルを襲ったのは、父の再婚相手ワンフの手下でした。
ピョンガンが急いで家に戻ったのは、幼い妹から緊急事態の連絡が入ったからでした。父が死んでから母がギャンブルにのめり込み、家は借金だらけになってしまいました。母が金庫にあった現金を持って行方をくらますと、やがて借金取りが家にやってきました。ピョンガンはたった1人で、暴れる借金取りたちを蹴散らします。
オンダルはワンフと息子ヨンリュの策略に阻まれながらも、父の結婚式に間に合います。招待客の前で父の後継者となることを誓い、父を感動させました。一方、ピョンガンは借金の重さを思いながら、ゴルフ場の模型を愛おしそうに眺めました。二度と会いたくなかったオンダルとピョンガンは、シャインローズ・リゾートで再会します。
『天下無敵イ・ピョンガン』の演出は、『快刀ホン・ギルドン』を手がけたイ・ジョンソプ。得意のフュージョン時代劇(時代考証や歴史より面白さを追求)の方法に、タイムトリップのトリックをミックスしました。タイムトリップものの人気は、過去に『千年の愛』や『快傑!春香』で実証済み。ただしタイムトリップは思いがけないことがつきもの。オンダル役のチ・ヒョヌは『殴られたり叫んだり、こんな御曹司は僕初めて見た』と驚いています。
コミカルなのに、ふとした瞬間にカワイイ! と思わせる不思議な魅力のチ・ヒョヌ。彼はミュージシャンとして芸能界に入り、翌年にKBSのタレント20期に採用されました。デビュー2作目のドラマ『オールド・ミス・ダイアリー』で、年上女性の間で大ブレイク。「チ・ヒョヌと姉本能」というファンクラブもできました。ロックバンド「ザ・ナッツ」のメンバーとしても音楽活動中。(兄チ・ヒョンスも「ネクスト」のメンバーとして活躍)
ピョンガン役のナム・サンミは、俳優になる前は漢陽(ハンヤン)大学前のロッテリアでアルバイトをしていました。美人で仕事のできる店員とインターネット上で話題を集め、スポーツ新聞に取り上げられたことがデビューのきっかけとなりました。当時、高校生だった彼女は同徳(トンドク)女子大放送演芸学科に進学してから、ドラマ『ラブレター』で本格デビュー。2010年には、女優のク・ヘソンが監督した映画『あなた』に主演しています。
『天下無敵イ・ピョンガン』の見どころのひとつは、どこかで見た顔が出ているところ。ユ・オソン、格闘家のチェ・ムベたちがカメオ出演しています。ユ・オソンは地元の警察官役で、自らの出身地である江原道(カンウォンド)訛りを自由に操り笑いを誘っています。一方、ソウル出身のナム・サンミは訛りに苦戦しましたが、視聴者には愛らしいと好評。チ・ヒョヌの壊れた御曹司演技とともにドラマのセールスポイントになりました。
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